本日の映画はヒッチコックの『泥棒成金』
古い作品も押さえておきたいなぁと思いまして、ちょいちょい手を伸ばすようにしています。ヒッチコック作品はいずれ制覇したいとの野望を抱いて、ちょっとずつ亀の歩みで観ています。
本作はグレース・ケリーとケイリー・グラントという当時の大スターが共演&舞台は南仏の高級リゾート地のリヴィエラという豪華な作品。
景色の美しさと、グレース・ケリーの美しさを存分に堪能できる作品でした。サスペンスではありますが、コミカルでユーモラスな要素が強くのんびり観られます。
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『泥棒成金』
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基本情報
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ケイリー・グラント/グレース・ケリー
製作:1955年/アメリカ
のちにモナコ公国の公妃となるグレース・ケリーの美しさが際立ちました。綺麗な女の人は大好きだ∑d(≧▽≦*)OK!!
ニコール・キッドマンがグレース・ケリーを演じて話題になりました。
▼『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』
あらすじ
かつて「キャット」の名前で知られた宝石泥棒ジョン・ロビー。
屋根づたいに忍び込み、一切の証拠を残さずにお金持ちからだけ宝石を盗む伝説の泥棒だったが、戦後は足を洗い、リヴィエラを見下ろす屋敷で悠々自適な生活を送っていた。
しかしロビーとまったく同じ手口を使う偽物キャットが出没し始め、ロビーは警察から疑われる羽目に。
戦中レジスタンスとして活動していたロビーはかつての仲間であり現在はレストランを経営しているベルタニの元を訪れるが、ロビーは仲間からも疑いの目で見られていた。
ベルタニの紹介で、保険会社で宝石の保険を取り扱っているヒューソンに協力してもらい、今後ターゲットになりそうなアメリカ人のスティーブンス母娘と親しくなる。母娘の宝石を狙う偽キャットを捕まえ、自身への疑惑を晴らすためだった。
スティーブンス娘のフランシーはロビーがキャットであると見抜いており、彼に興味を示す。
そんな状況でついにスティーブンス母の宝石が盗まれ、真犯人はロビーだと思っているフランシーからも激しく非難されることに。
しかし、真犯人としてベルタニのレストランで働く男が崖から落ち死んだ姿で発見される。その後ろにさらに黒幕がいると考えたロビーはスティーブンス母娘の協力を得て、偽キャットが次に現れるに違いない舞踏会に忍び込む。
以下はネタバレ全開です。
感想(ネタバレあり)
グレース・ケリーの圧倒的な美しさ
この映画では南仏の高級リゾートとグレース・ケリーの美しさにゆったり身を委ねてしまうのがいい。画面が変わるたびにグレースの纏う衣装が変わり、様々な表情を見せてくれます。
巨匠ヒッチコックのサスペンスということで、ちょっと身構えて鑑賞を始めたものの、ハラハラドキドキの連続!という雰囲気の作品ではなく、犯人も深読みする必要もなく「あの人しかいないよな~。」と思っていたら本当にその人だった、というストーリーはあっさりしたもの。
主人公ロビーは、戦前は大泥棒、戦時中爆撃のさなかに刑務所を脱獄し、レジスタンスとして活躍、そのおかげで現在は仮釈放されて豪邸で一人、悠々自適な生活を送る身。
その経緯を見ても要領がよく、状況を見極めながら困難も切り抜けてゆくことができる男なのだということがわかる。
冒頭。
彼を捕まえようと自宅に押し掛けた警官たちをまいて、脱出を図るシーンも見事なものだった。かつての身軽さは全く損なわれていない。ロビーの軽妙な語り口も心地いい。
真犯人を捕まえられなければ、刑務所へ逆戻りで二度と外へは出られないであろうという状況。かつてのレジスタンス仲間からは、完全に疑われ、自分たちも巻き添えで刑務所に入れられるのではないかという想いから、怒りを向けられる。
保険会社のヒューソンの協力で、ロビーはスティーブンス母娘と知り合うことになるわけですが、その娘フランシーを演じるのがグレース・ケリー。
彼女が登場した瞬間に、画面が輝きを放ち始めるような、そんな圧倒的な存在感を持った女優さん。
劇中でも自分の美しさをしっかりと認識しており、そこにいるだけで周囲の人々と視線を集めながら、それを当然とし、まったく気にも留めない様子の完璧な美女を演じています。
フランシーの初登場シーンは、二人がまだ知り合う前のビーチ。
ボートから泳いで渡ってきたロビーの背後にいる水着の女性で、サングラスかけていて表情は見えないものの、そこにいるだけではっと目を引いてしまうものがありました。
性格もかなりプライドが高く、勝気&強気な女性です。
別れ際にいきなりキスしてみたり。これがまた色気たっぷりで(●´ω`●)
キス直後、振り返ったロビーの唇には赤い口紅がしっかりとついてる。ロビーもびっくりしながらも口の端に笑みが浮かび、思わず嬉しそうにしちゃうのね。
「近くで見るとけっこう年ね。」
「子供にはそう見えるのよ。」
なーんて。ロビーに想いを寄せる年下娘ダニエルとバトルを繰り広げ火花を散らしたり。
出かけようとしているロビーに強引にドライバーとして同行したかと思えば、かなり運転は乱暴で、助手席のロビーを怖がらせる。ダニエルは軽くあしらっていたロビーも、フランシーにはたじたじなのが面白い。
登場した時はクールで強気だったフランシーがロビーを深く愛するようになって情熱的な女性に変わってゆく様子もまた興味深い。
http://eiga.com/movie/47373/gallery/2/
リヴィエラの夜空に打ち上がる花火をバックにした、真っ白なドレスに身を包んだフランシーとロビーの情熱的なラブ・シーンは忘れがたい名シーンですヾ(=^▽^=)ノ
わざとネックレスをロビーの手に触れさせてからの、粋なやりとり。
「悪い取引かしら。すべて目の前よ。」
「この首飾りは偽物だ。」
「私は本物よ。」
夜空に花火がこれでもか!というくらいにはじけて、ロビーの理性もはじけた、という感じでしょうか(●´ω`●)
サスペンスとしての描写はやや緩め。
現代映画に見慣れてしまっている者としては、車の運転シーンの背景合成などは丸わかりすぎて、ちょっと笑えます。しかしヘリコプターを使った冒頭のカーチェイスは、現代のカーチェイスにも通じるものがあり、けっこう好きなシーンです。
偽キャットが宝石泥棒を繰り返すシーンに、屋根伝いに歩いてくる黒猫が挿入されるのは、あまり繰り返すので笑っちゃいましたけど(笑)
暗い中で緑に色づいているようにも見える屋根を、下から煽ったように映している映像がけっこうな迫力があって、特に終盤の屋根の上での偽キャットとの対決シーンでは、それが際立っていました。
「高さ」を感じて、思わずぞわっと来るような…(((( ;゚д゚)))
こういうシーンはヒッチコックのうまさを感じました。
ニースの花市場で、色鮮やかな花に包まれながらの警察との追いかけっこも好き。
おばちゃんの奮闘ぶりもなかなか。袖口を掴んで離さないおばちゃんのせいで、袖がびよんと伸びて困っているロビーの顔がユーモラスでした。
そしてクライマックスの仮装舞踏会のきらびやかさ!
警察が厳重警戒している状況で、果たしてどのようにしてロビーは舞踏会に忍び込むのか?
うっかり協力することになってしまったために、ロビーに振り回されるヒューソンさんの奮闘ぶりにも注目です(笑)
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まとめ&その他気になったこと。
テクニカラー
この作品はテクニカラーという方法で撮影されています。
テクニカラーは赤・青・緑の三色で色を再現する方法で、3本のフィルムで撮影して、後で合わせたんですって。フィルムだけで3倍。特殊なカメラも必要でお金もかかりました。
当時はまだカラー・フィルムがなかったんだそうです。あー、だから黒が緑がかって見えるシーンがあったのか、と納得してしまいました。
で、この作品でロバート・パークスが1955年アカデミー賞色彩撮影賞を受賞しています。そんな賞があったんですね。
グレース・ケリー
グレース・ケリーはこの映画の撮影で訪れたカンヌでモナコ大公レーニエ3世と出会い、翌年に結婚、引退してしまいます。
調べてみたら、活動期間はなんとわずか5年ほどだったんですね!
短い期間ながら出演作はどれも名作ばかり…。非の打ちどころもない完璧な美貌にすっかり酔いしれてしまいました。
ヒッチコックの登場シーン。
そうそう、おなじみのヒッチコック監督本人の出演シーン。
始まって10分くらいでしょうか。警察をまいてロビーがバスに乗って逃げるシーン。
鳥かごを持った女性が左隣に座っていましたが、その逆。右隣に仏頂面で座ってる乗客です。これはわかりやすくて、すぐに見つかりました^^
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