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『高慢と偏見とゾンビ』/ゾンビがはびこる世界でも、恋がしたい。名作文学がゾンビとコラボ!

キーラ・ナイトレイ主演で映画化され(『プライドと偏見』)、本国イギリスでは繰り返しドラマ化されているジェーン・オースティンの名作『高慢と偏見』。

あの名作文学がゾンビがコラボ

「なんじゃ、それは?!」と思いましたよ。思いましたけれども。

ジェーン・オースティン大好き。

『高慢と偏見』大好き。

そしてゾンビも大好き!

という私ですので、観るしかない!と思いまして、本日鑑賞してまいりました(´∀`*)

予めキーラ・ナイトレイ主演の『フライドを偏見』を観るなどして、あらすじと人間関係は頭に入れて鑑賞することをおすすめします。

そうすると有名なシーンやセリフがゾンビと絡んでどう変わったかがわかります。

名シーン、名セリフははちゃんと織り込まれてるんです。

「あ!あのシーン!」って思うはず。

古典作品とゾンビ、意外なものを組み合わせてどう話を展開してゆくのか、興味があるかたは見てもいいかも(・∀・)つ

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『高慢と偏見とゾンビ』

監督・出演・製作 基本情報

監督:バー・スティアーズ

出演:リリー・ジェームズ/サム・ライリー

製作:2016年/イギリス

ヒロインのエリザベスを演じるのは実写版『シンデレラ』でシンデレラを演じたリリー・ジェームズ。

英国貴族の華麗なる生活と使用人たちの暮らしを描いたイギリスの人気ドラマ『ダウントン・アビー』では奔放な貴族のお嬢様ローズを演じていました。

『ダウントン・アビー』は今まで観た海外ドラマの中でも指折りのお気に入りの作品で何度も観ています。『プライドと偏見』『ある晴れた日に』が好きな人には絶賛オススメ。アマゾンプライムビデオだとイッキ見できて便利です。

リリー・ジェームズ同様『ダウントン・アビー』からハリウッド映画に飛躍したのがダン・スティーブンス。

エマ・ワトソンと共演した『美女と野獣』は世界的な大ヒットになりました。

それにしても『高慢と偏見』とゾンビを組み合わせる必要性は世界中のどこを探してもないと思うのですが、この映画には原作があるらしい。

原作者はセス・グレアム・スミス。

以前にリンカーン大統領はヴァンパイア・ハンターだった、という設定で『ヴァンパイアハンター・リンカーン』という作品を書いており、『リンカーン/秘密の書』として映画化もされております。

こういう本来無関係なものを無理に設定に組み込んで作品を描くのを得意とする方なんでしょうね。マッシュアップ小説というらしいです。

ざっとあらすじなど。

舞台は18世紀末のイギリス。

女性に財産の相続権がなかった時代。

ベネット家の5人姉妹は父親亡き後に無一文になって路頭に迷うことにならないためにも、裕福な男性に嫁ぐことを夢見ていた。

そんなある日。

ビングリーとその友人のダーシーという家柄も財産も申し分ない2人の紳士が村にやってきた。玉の輿に乗るべく俄然やる気を見せる姉妹たち。

舞踏会でビングリーが見初めたのは、長女のジェイン。

次女のエリザベスは、ダーシーが自分の容姿を貶しているのを聞いてしまい、屈辱と怒りを感じ、会場を飛び出してしまう。

暗い庭で一人悔し泣きをしていると、近づいてくる人影が…。

そこにいたのは、ゾンビでした。

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感想(ネタバレあり)

ゾンビのはびこる世界でも、恋がしたい。

もっととんでもないものを想像していたのですが、ストーリーや登場人物はちゃんと『高慢と偏見』になっているのです。

上流階級らしくプライドの高さが鼻持ちならないダーシー。

利発で聡明なエリザベス。

物分かりがよくて頼りになる父。

娘を金持ちに嫁がせることしか頭にない品のない母。

ベネット家の遺産を継ぐことになるいとこのコリンズのKYぶり。

キャラクターの性格も『高慢と偏見』の設定どおり。

違うことと言えば、その世界にゾンビがはびこっているということ。

ロンドンは高い壁に囲われ、人々は日々ゾンビとの戦いに明け暮れている。で、ゾンビがあんまりいない田舎の方に住んでいる人がいたりするわけ。

ダーシーは上流貴族であると同時に、有能なゾンビハンター。ゾンビを見つければ容赦なく、頭を吹っ飛ばします。

▼ベネット姉妹の美しさと勇ましさは必見!

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ベネット家の5人姉妹はカンフーを極めた格闘家。

美しいドレスの下に武器を仕込み、舞踏会に乱入してきたゾンビを倒すために、逃げ出す参加者たちとは逆行してゾンビに勇敢に立ち向かってゆく。

そしてチームプレイでゾンビを片っ端からやっつけてゆきます。

エリザベスとジェインの女同士の会話は「組手」をしながら。手加減なしで組み合いながら恋の相談をするのです。なんとも勇ましい姉妹たち。

この世界では女性のたしなみは音楽や文学だけではなく武術も含まれる。

しかも上流階級の女性は日本で武術を身に付け、お金がない人たちは中国で学ぶという格差社会。中流階級のエリザベスたちは中国で身に付けたらしいく、それはマウンティングの対象になる。「あら、あなたは中国ですの(笑)」って。

▼美しい姉妹たちはドレスの下に武器を仕込でパーティに臨む。

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森を歩けばゾンビに遭遇しちゃうような世界であっても、エリザベスたちは舞踏会を楽しみ、玉の輿に乗ることを夢見て恋をしています。

舞踏会のシーンやお屋敷のシーンは18世紀のイギリスそのもの。

姉妹のドレスと合わせてヨーロッパの歴史物が好きな方は、楽しめるかもしれません。

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本家『高慢と偏見』と同様に、初対面ではエリザベスとダーシーはお互いに印象は最悪。ダーシーは家柄と財産を鼻に掛けた高慢な鼻持ちならない貴族で、エリザベスは上流階級への偏見を抱いている。

反発し合いながらも、お互いが気になって仕方ない。

ダーシーはエリザベスの二の腕の筋肉の美しさにホレ直し、エリザベスにポロポーズするも、とある誤解からダーシーに怒り心頭のエリザベスはいきなりダーシーを蹴り飛ばす(笑)

忘れかけたころにちょいちょいゾンビは絡むけれども、ストーリーは恋愛もの。

ホラーやアクション風味なシーンもありますが、二人の意地の張り合いや誤解が解けて結ばれてゆくさまは、ラブストーリーの王道です。

最初はクールで皮肉屋だったダーシーが、エリザベスに惹かれてゆき、熱っぽい瞳で彼女から目が離せなくなるのは少女漫画でも繰り返し描かれる展開。

どんなに繰り返されても、やっぱり好き。

これは憧れのシチュエーションですヾ(=^▽^=)ノ

それでもやっぱりゾンビもの

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ストーリーは恋愛ものだけれども、それでもはやりゾンビもの。

ヒロインが飛んでいるハエを手づかみするラブストーリーはこの作品をおいてあるまい。

ゾンビ黙示録の四騎士が現れたり、ゾンビ貴族なるものが登場したり。

ウィカム氏はゾンビと通じて何やら企んでいるようだし、キャサリン夫人に至っては英国一の剣の使い手という設定。しかもアイパッチつけてます(笑)

一般的なゾンビ映画よりもグロテスクなシーンは少ないですが、それなりにありますので、苦手な方はご注意を。

エンドロールの途中にもおまけシーンがありますから、見逃さないように。続篇がありそうな雰囲気です。

ちなみに。

ゾンビには走るゾンビとゆったり歩くゾンビがありますが、この世界のゾンビは走ります。で、食べるのは脳みそ。

感染の初期段階では人間と見分けがつかず、コミュニケーションを取ることも可能。脳みそを食べることによってゾンビの完全体になります。

いろんなタイプのゾンビが登場してきますね( ´_ゝ`)

くだらなくてばかばかしい作品ではありますが、けっこう好き。

カテゴリーをどうするか、考えましたが、「ラブコメ・ロマンス」のところに入れます。ホラーやアクションよりはそっちの方が近いかな。

以上、『高慢と偏見とゾンビ』の感想でした。

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