わずか1日しか記憶を保つことができず、夜眠り、翌朝目覚めれば前日の記憶は、ない。
そんな特殊な記憶障害を患った女性クリスティーンを巡るミステリー。
クリスティーンを演じるのはニコール・キッドマン。クリスティーンを献身的に支える夫、ベンを演じるのはコリン・ファースです。
『リピーテッド』
監督・出演・製作 基本情報
監督:ローワン・ジョフィ
出演:ニコール・キッドマン/マーク・ストロング/コリン・ファース
製作:2014年/イギリス・アメリカ・フランス・スウェーデン
コリン・ファースは好きな役者さんの一人です。とにかく『ブリジット・ジョーンズの日記』が大好きなもので^^
真面目で誠実な役どころを演じているイメージが強いのですが、『キングスマン』でのキレッキレのアクションは、意外だったけれど、新境地開拓って感じがしてよかったですね。
参考記事>>>『キングスマン』/マナーが人間を作ります。
ニコール・キッドマンとは『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』でも共演していました。ニコールは整形疑惑がたびたび噂されていますが、やっぱり綺麗な人だなぁと思った。
ニコールは『めぐりあう時間たち』でアカデミー賞を獲得していますが、2017年にも『ライオン 25年目のただいま』でアカデミー賞にノミネート。深い愛を持って養子に接する姿が印象的な、強く優しい女性を演じていました。
記憶障害をテーマにした映画は非常に多いです。
『メメント』のようなサスペンスから、『50回目のプロポーズ』のようなラブストーリーまで、幅広いジャンルで描かれています。
正直なところ、「またか…。」という想いもありますが、自分が何者で、過去に何があったのかわからない、という恐怖は自分の存在を根本から覆すもの。やはり心惹かれます。
▽記憶喪失モノの名作。予測できない結末に放心状態。
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ざっとあらすじなど。
http://eiga.com/movie/81237/gallery/3/
朝、クリスティーンが目を覚ますとそこは見知らぬ場所。隣には見知らぬ男がに寝ている。起き上がって洗面所に行くと、壁一面にクリスティーンと見知らぬ男のツーショット写真が貼り付けられていた。男は言う。
「僕は君の夫のベンだ。」
ベンによると、クリスティーンは交通事故にあったことが原因で記憶障害を患い、記憶が一日しか保てないのだという。
20代前半で記憶が止まっているが、本当は40歳。
ベンは目覚めたら前日のことを忘れてしまうクリスティーンに毎日、同じ説明を繰り返していた。彼女が不安に思わないように、必要なことはあちこちにメモを残してある。
20代前半のつもりが朝起きたら40歳…。
お肌の弾力も失われ、おなかにも肉がつき始め、髪には白いモノも混じり始めた自分がそこにいる…。(※一般的な40歳についての言及。クリスティーンは綺麗です^^;)
コワい、あまりにコワすぎる…(((( ;゚д゚)))
うへえ、考えただけでぞっとする。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
もし自分だったら…と思うと震えあがります…。
教師として働くベンが出勤した後、電話が鳴り響く。
電話の主は医者だという。ベンに内緒でクリスティーンの治療としており、記憶を取り戻すために、一日の終わりにカメラでその日の出来事を記録させている、というのだ。
医者の言葉通りに、クローゼットの奥に隠されたカメラ。記録されていた映像を再生してみると、そこにはクリスティーン本人からの警告のメッセージが録画されていた。
「夫はウソをついている。夫を信じてはいけない。」
自分はなぜ記憶を失ったのか?嘘をついているのは誰なのか?
この先はネタバレをしております。
感想(ネタバレあり)
あなたは私の夫?
http://eiga.com/movie/81237/gallery/4/
朝起きたら知らない場所にいて、同じベッドで知らない男が寝ている。
あれ?昨日お酒飲んだっけ?って、最初は思うかもしれない。しかし、(しつこいけど)20代前半がいきなり40歳ですから。何かオカシイことはすぐわかりますし、ものすごい恐怖だろうと思います。知らないうちに知らない人と、結婚しちゃってる。
そして、毎朝同じ説明を繰り返さなければならない夫も辛いだろうなぁ。と思うのです。
http://eiga.com/movie/81237/gallery/5/
そこにかかってくる謎めいた電話。相手はナッシュという医者。ベンが仕事に出ている間、クリスティーンはナッシュと記憶障害を克服する「治療」を行ってゆくわけですが…。
そこでベンがついている嘘、自分が忘れている様々な事実が容赦なく突きつけられます。
- 事故ではなく、殴られて放置されていたこと。
- しかも全裸でシーツに包まれていた。
- その直前にホテルで誰かと関係を持っていたらしいこと。
そして、治療の効果あってか、時折記憶の断片が浮かび上がってくる。それはベンが意図的に嘘をつき、隠していたと思われる事実。
- クレアという親友の存在
- 自分には息子がいたこと。
- 実は離婚していたこと。
どうして嘘をついて隠していたのか?
ベンを問い質すも、ベンにはそうせざるを得ない理由があった。
それはクリスティーンを混乱させないため、守るためだという…。
- 本当の原因を知らせるのは混乱させることになるから。
- クレアは記憶障害が原因で疎遠になってしまった。
- そして息子アダムの存在を隠していたのは、彼はこの世にもういないから。
子供の死という、残酷な事実を突き付けて苦しませたくなかった。毎日息子の死という事実を受け止めなければならないのは、あまりに辛すぎると…。
息子の死が原因で一度は離婚したが、後悔して戻ってきたのだ、「二度と離れない。」と涙ながらにベンは語る。
夫を疑いながらも、クリスティーンはベンの説明を受け入れる。夫は記憶を失って10年も献身的にそばで支えてくれ、愛してくれていたのだ、と。
まあ、しかし、それで解決!となるはずはありません。
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真犯人は誰だ?
http://eiga.com/movie/81237/gallery/2/
で、なんやかんや音信不通だったクレアと連絡が取れまして、ここでまた色々ありまして。
観るこちら方も、真犯人は誰だ?と疑いをアレコレ巡らしながら観てゆきます。
- お医者さんのナッシュは友人からクリスティーンの症例を聞いていて顔も知ってて、たまたま公園で見かけて、声をかけた、なんて怪しすぎる!真犯人とグルでしょ?
- クレアはずっと音信不通だったのに、いいタイミングで連絡先がわかってすぐに会えちゃうなんて、怪しすぎる!真犯人とグルなんじゃないの?
- ベン=コリン・ファースが悪人なわけがないので、怪しいけど、何かしら嘘をつく理由があるはず!
なんて、アレコレアレコレ想像が膨らみます。
しかし、コリン・ファースが悪人のはずないって思っていても、いきなりブチキレてクリスティーンを殴りつけたり、意識を失わせて都合の悪い記憶はなくさせたり…。
やはりベンが怪しい…?
献身的な夫にはふさわしからぬ暴力的な行為がちらちらと目立ち始める。おぉ、やはりベンが真犯人なのか?と思わざると得ない状況に話が展開してゆく。
それでも、コリン・ファースを信じたいと願い続けた私。演じているのがコリンというのもあるけど、お話的にもそれだとあまりにひねりがなさすぎるじゃない?
だから、最後の最後まで信じようとしたんです、私はベンを。
私はそれでもコリン・ファースを信じたい…!
しかし!
真犯人はベンのフリをしていた浮気相手のマイク!ベンはベンじゃなくて本当はマイク。クリスティーンに別れを切り出されて、逆上したマイクがぶん殴って放置していたのです。
で、本当のベンと離婚したクリスティーンをベンのフリをして引き取って、一緒に暮らしていた、という。
もう、疲れたからマイクに戻りたいという偽ベンことマイクと大乱闘の末、クリスティーンはアイロンでぶん殴って、偽ベンことマイクを病院送りにしてしまいましたとさ。
怪我を負い、入院中のクリスティーンの前に本物のベンが登場し、息子のアダムは実は生きていて、こちらもママの前に登場。
この本物のベンがちょっと悪人顔というか、献身的な夫というよりも胡散臭い雰囲気を醸し出しているように見えたので、ここでもう一度どんでん返しが来るのかな~と期待したのです。
いや、実はこっちが黒幕で偽ベンは彼からクリスティーンを守ろうとしてたんじゃないの?なーんて。
でも、なーんにもなかった。
偽ベンことマイクは逮捕されたまんま…。
あー、うーん。
ほら、コリン・ファースがサイコな悪人のわけないって、先入観と私の個人的な願望がありまして。偽ベンは実は善人であってほしいと、最後まで願ってたんですが、叶いませんでした…。
まとめ
完璧に間違った方向に期待してた私も問題ありなのですが、なんだろう、この物足りない感…。
確かに偽物のベン(=マイク)はとっても怪しげだったけれど、真犯人はもうちょっと意外性があってほしかったなぁ。あまりにも意外性がなさすぎじゃない?
それに記憶障害と言いながら、クリスティーンが自力で思い出したり、覚えてたり。難しいところなんだけど、ちょっと都合よすぎな感じがしちゃいました。
もうひとひねり欲しかった!
ミステリーとしては物足りない感がありましたが、前半のクリスティーンの不安や疑念。そしてその心情を反映したかのような、陰鬱な風景。寒々しい木立や冷たい雨などはよかったと思います。回想シーンに出てくるホテルの廊下も、なんかホラーみたいだったし。
あと、クレアの会話の中で、本物のベンと偽ベンとの容姿が食い違っていることがわかること。本物のベンがクリスティーンとは離婚以来会っていないという事実が発覚するシーンは好きだったな。あの瞬間はちょっとゾクっとしました。
その他気になったこと。
その1.アルバム⇒夫婦のアルバムを手作りしている偽ベン(=マイク)を想像すると、なんかおかしい。
その2.守秘義務⇒たまたま知ってて、たまたま見つけて、声かけて、無料で治療…って。医者ってそんなんでいいの。
その3.ほんとはアラフィフ⇒気持ちは20代前半だけど、身体は40歳…。でも演じたニコールは1967年生まれのアラフィフ。アラフィフには見えない美しさ。
以上、『リピーテッド』の感想でした♪
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