Netflixにて鑑賞。ありふれたスラッシャー映画だと思いきや、意外にも見ごたえある作品だった。
そんなお話だったの!と最後まで観て、ほー!!w(*゚o゚*)wとなりました。最後まで観たらもう一度見返して観たくなる作品。
あまり期待をせずに観た映画が好みだったときは、おトクな気分ですv(*’-^*)-☆ ok!!
怖くて、ちょっと不思議な映画が好きな方に絶賛オススメしたいのですが、DVDパッケージで重要部分を思いっきりネタバレしてる…ので、気を付けてくださいね。
早い段階で発覚する部分とはいえ、できればそこもネタバレせずに観た方がいいと思うので、パッケージはじっくり読まない方がいいかも^^;
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『トライアングル』
監督・出演・製作 基本情報
監督:クリストファー・スミス
出演:メリッサ・ジョージ/マイケル・ドーマン/リアム・ヘムズワース
製作:2009年/イギリス・オーストラリア合作
あらすじ
ヨットセーリング中に嵐に襲われたジェスらは、目の前に現れた大型客船に命からがら乗り込み難を逃れる。しかし、船内には人がいた形跡があるものの誰もおらず、探索していると覆面をした人物が現れ次々と命を奪われていく。1人生き残り甲板に逃げ出したジェスは、転覆したヨットから客船に向かって助けを求める自分たちの姿を目撃する。「0:34 レイジ34フン」のクリストファー・スミス監督が、豪華客船を舞台に描くシチュエーションスリラー。
▼監督のクリストファー・スミスは『0:34レイジ34フン』の人らしい。
地下鉄の駅構内に閉じ込められた女性が、”何か”に襲われる、という話で、けっこうグロ強め。主人公を演じるのはジェイソン・ボーンの恋人マリーを演じたフランカ・ポテンテ。
感想(ネタバレ)
最後まで観ると、色々なことがわかる。そしてもう一度初めから観たくなる。そんな映画だった。
時間ループをテーマにした映画は、たいていループを抜け出せば万事よい方向に解決しているものだが、この作品はそうではない。終盤に差し掛かるにつれ、やりきれなさが募っていき、ループから抜け出た後にさらなる絶望が待っていた…。
”なぜ殺人鬼は殺人鬼にならねばならなかったのか?”
容赦も躊躇もなく、次々に仲間を惨殺していく謎の覆面の人物の正体、そしてその動機がわかった時に哀しい気持ちにさせられた。
殺人鬼は自分ではない。絶対に殺人鬼にはならない。
そう思いつつも、その人はその道を歩まざるをえなくなっていく。
謎の客船と無間地獄
ジェスは自閉症の男の子を育てているシングルマザー。
思うようにいかない子育てに疲れ気味だが、ある晴れた日、ジェスに好意を寄せているグレッグに誘われてヨットセーリングに出かける。待ち合わせ場所の港についたジェスは、グレッグの友人ヴィクターが訝しむほどに虚ろな表情を見せ、グレッグに「ごめんなさい。」とつぶやくのだった。
突然の大嵐に襲われヨットは転覆。漂流するジェスたちの前に現れたのが「アイオロス号」という大型客船だった。助けを求めて船に乗り込むと、人がいた形跡だけを残し、人影は見えない。
初めて来たはずの場所なのに、なぜか船内の景色に見覚えがあるジェス。
そして忍び寄る何者かの気配…。
突然現れた覆面の殺人鬼が次々と友人たちを惨殺していくなか、最後に残ったジェスは殺人鬼と格闘の末、船から突き落す。
殺人鬼は意味の分からない言葉を残して海に落ちてく。
「また戻ってくるから、全員殺して。」
その直後、ジェスは驚くべき光景を目にする。
それは、ジェス自身が死んだはずのメンバーと一緒に、アイオロス号に救助を求めにやってこようとしている、というものだった。
ココから、終わりのない殺人ループが始まる。
人がいた形跡があるのに、こつ然と消えてしまった不気味で不穏な船の雰囲気が好きです。 謎の血文字と船内に残された血痕。何かが起きているが、それが何かはわからない。
その状況でジェスは繰り返しデジャビュを感じる。まるで霊界に漂う船に乗り込んでしまったかのような、おぼろげで心もとない白昼夢のような…。
何者かに襲われた血まみれのヴィクター、誰かに撃たれたグレッグ。皆はジェスがやったというがジェスには身に覚えがない。食い違う自分の認識と、周囲の証言。
自分は殺人鬼ではない。そうであるはずがない。そう思いながら、必死に殺人を止めようとしても、殺人ループは止めることができず、惨劇が繰り返され、皆殺しになっても、彼らは何度でも船に戻ってくる。
数えきれないほどの「彼らを殺せ」のメモ、山のように連なる同じ顔の死体、降り積もったジェスのネックレス。 このあたりの描写は幻想的ですごく好きだった。
謎の血文字は誰が書いたのか?残された血痕は誰のものだったのか?断片が徐々に繋がっていく経過も好き。
一体、何度このループを繰り返したのか?
気の遠くなりそうな無間地獄の中で、ジェスは悟る。
全員を殺し、ループから抜け出さない限り、息子の元へは戻れない、と。
自分が生き残るためではなく、子を思う親心が動機になると、”殺しても仕方がない”と思ってしまう…。面白いのはジェスだけが船の中に複数存在しているところ。ループを止めるためには自分自身さえ殺さなければならず、ジェスは自分自身と格闘して海に落とされてしまう。どのジェスも必死なんですよ、息子のために。
ループの先にあったもの
海に落ちたことで、ジェスは船からの脱出に成功する。(序盤の海に突き落とされた殺人鬼=ジェス)
ジェスが息子の元へ駆けつけると、そこには息子を酷く虐待する母親=自分がいた。
ジェスは息子を虐待する母親=自分を殺し、その死体をトランクに詰めて車を走らせる。道中で目にした山積みに積み重なる鳥の死骸に、”予感”がふとジェスの脳裏をよぎる。自分はまだ繰り返しの中にいるのではないか、と…。
そう、ループを抜け出したつもりでも、そこはさらに大きなループの輪の中だった。自動車事故を起こし、息子を死なせて呆然としていると、タクシー運転手に声を掛けられる。ドライバーは港に送っていくという。
「戻ってくるだろ。」
運転手は意味ありげにジェスに言う。港についたジェスは再びトライアングル号でヨットセーリングに出発する。このループの先には、息子が生きている世界がある。
グレッグへの「ごめんなさい。」の言葉の意味。それはこれから起きることに対してだった、のですね。最後まで観て、最初に繋がる。ほほう!!となりました!
ちなみに、船の名前はアイオロス号。アイオロスは死神をだまして死を免れたために無間地獄に落とされた者の名前。
あの運転手こそが死神ではなかっただろうか?と思いました。ジェスは死なせてしまった息子を取り戻すために、無間地獄に落ちて行ったのかと思いました。
善き母でありたいと願いながら、育てにくい子どもを虐待してしまったという深い後悔。息子を取り戻したら今度は善き母になろう、そんな母の願いもそこにはあったはず…。
無間地獄の中で数えきれないほどの殺人を犯し息子の元に戻っても、数えきれないほど息子を死なせてしまう。それでも再び繰り返す。息子を取り戻すために…。
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まとめ。
話が進むにつれて哀しみが増していく。ループから抜け出すとそこはさらに絶望があった。
人を殺しても息子のために戻ろうと思った。幼い自閉症の息子は母親がいなければ生きていけない。
しかしさらにその先があった。ジェスは死なせてしまった息子を取り戻そうとしていたのだ、と思うとジェスの動機と行動にさらに切実さが増した。
あれほど”殺人鬼”あることに戸惑い、怯えていたジェスが、なせ迷いもなく仲間たちを殺すことになったのか。なぜ港に着いた時に呆然としていたのか、なぜ「ごめんなさい」なのか。最後まで観ると最初に戻り、すべてが繋がって感心させられた。
ヒロインのメリッサ・ジョージは『30デイズ・ナイト』でジョシュ・ハートネットの元妻役を演じた人。かわいらしいので印象に残っていました。タンクトップ姿が色っぽかった。
以上、『トライアングル』の感想でした。
▼メリッサ・ジョージ出演、グロ度強めのホラー。吸血鬼モノ。
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