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『マリアンヌ』/この愛は本物か?2大スター共演の戦時下の哀しい愛の物語。【ネタバレあり】

本日の映画は『マリアンヌ』

離婚協議中のブラピのプライベートに関連して話題になった映画。(主演の二人がただならぬ関係にあるのではという下世話な話。)

ということで、スキャンダルのイメージがちらついてしまうのは如何ともしがたいところなのだが、戦時下のスパイ同士の恋とか実は二重スパイだったとか、ドラマチックな要素を盛り込んだストーリーに心惹かれました。

毎月14日は「TOHOの日」なので、映画を割引で観ることができます。

TOHO新宿に足を運んで鑑賞。サービスデーということもあってか、劇場はほぼ埋まっていたように思った。終盤にはすすり泣きも少し聞こえてきた。

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『マリアンヌ』

監督・出演・製作 基本情報

監督:ロバート・ゼメキス
出演:ブラッド・ピット/マリオン・コティヤール
製作:2016年/アメリカ

監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(アカデミー作品賞&監督賞を受賞)のロバート・ゼメキス。

CGやVFXをふんだんに使ったスケールの大きなエンターテイメント性の高い作品でありながら、かつ心に染みわたるようなヒューマン・ドラマを撮る監督。

美男美女が繰り広げる、「王道」を行く悲恋の物語は、これまでのロバート・ゼメキスのイメージとは合わない気がしましたが、観てみると「ゼメキスらしさ」も感じられましたよ。

マリオン・コティヤールは好きな女優さんの一人。さちうす~い役どころを演じてるイメージ。下記の2作品もひどいめに合されます(ノд-。)クスン

あらすじ

1942年、カサブランカ。秘密諜報員のマックスとフランス軍レジスタンスのマリアンヌは、ある重大なミッションを通して運命の出会いを果たす。それは、夫婦を装って敵の裏をかき、ドイツ大使を狙うというものだった。その後、ロンドンで再会した2人は恋に落ちるが、マリアンヌは誰にも言えない秘密を抱えていた。

引用:http://eiga.com/movie/85562/

 感想(ネタバレあり)

美しきレジスタンスの女闘士、マリアンヌ

1942年カサブランカ。

とある任務のためパラシュートで砂漠に降下した英国諜報部員のマックスは、任務遂行のために美しきフランス人女スパイ、マリアンヌと偽の夫婦になりすますために合流する。

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とにかく、どのシーンでもマリオン・コティヤールが美しいのである。

二人の出会いのシーン。

マックスに気付いたマリアンヌが後ろを振り返る。この登場シーンからして美しい。ざっくり空いたドレスから覗く背中の色っぽさ!

振り返って、マックスの姿を認めると一瞬で「妻」になりきり、久しぶりの夫との再会が嬉しくてたまらないという「演技」をしてみせる。

マックスは、この瞬間にもうマリアンヌに恋をしたのだ。

パーティーが苦手で寡黙な「夫」を無邪気で天真爛漫な「妻」が振り回し、フォローしている姿はどこから見ても二人は仲のいい夫婦にしか見えない。

この二人の掛け合いが、なかなかニヤつかせてくれる。

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自分の美しさを自覚し、それが「武器」になることを知っている女のかっこよさ。

出会いから、理性で押さえようとしているものの「女性」としてマリアンヌを意識しているのがバレバレのマックス。当然、マリアンヌはそれに気づいている。

「夫婦」として、任務の日まで同じ部屋で暮らさねばならない。

思わずベッドに視線をやってしまい、内心にかすかな動揺を抱えつつ気にしない風を装って「僕はソファーに寝るよ。」と言うマックスに対して、マリアンヌはさらっと「あなたは屋上で寝て。」と言うのだ。

▽言われたとおり、屋上に行くマックス。

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えー!屋上ひどい!!って思ったけど(笑)

モロッコでは情事のあと、夫は屋上で寝るのが習慣なんだって(本当か?)

鏡越しにマリアンヌの着替えを思わず覗くマックス。(たぶん、それ気づかれてますからね~。)

猛暑に耐え兼ね、ブラウスのボタンを外し胸元をはだけさせ、「あなたの”武器”にはストッパーがかかっているのかしら?」などと挑発的なことを言ってのけるマリアンヌ。

最上級の美人でなければ、お笑いにしかならないセリフがマリアンヌには似合う。

砂漠の砂嵐の中で。

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砂漠で二人が語り合うシーンはスパイとして生きる哀しみ、死と隣り合わせにある人生、二人が抱えている寄る辺なさを感じさせて好きだ。

生存率は40%。

二人して生き残る確率はもっと低いという任務遂行の日は刻一刻と迫るなか、任務の前日、二人は砂嵐が吹きすさぶ車の中で結ばれる。

狭い車の中で熱く互いを求め合う二人をそばで映していたカメラがすーっと引いて、愛し合う二人の姿が砂嵐に覆われてしまうシーンは、これから先の、嵐に飲み込まれてしまう二人の運命を予見させた。

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つかの間の幸せな時間

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ドイツ大使暗殺の任務を無事に成し遂げ、生きのびた二人はロンドンで結婚。

1年後には娘も生まれ、幸せな生活を送っていた。

ここで印象的だったのは文字通り「戦火の中での出産」

陣痛の真っ最中に、爆撃を受け人が吹っ飛ばされる病院を辛うじて脱出し、あちこちで火の手が上がり爆音の響く屋外で娘をこの世に生み出す。

「いきんで!」って言われてもいつ爆弾が直撃するかわからない状況ですよ…。それでも新しい命を生み出す母の強さと愛に溢れるシーンでした。

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妻となり母となりマリアンヌの表情が「スパイ」としてのものから幸せな女性の柔らかい表情に一変している。特に愛娘のアナに向ける笑顔は母としての慈愛に満ちており、カサブランカでの日々が幻であったかのようにも思われる。

妻にかけられた疑惑

しかし、幸せな日々は長くは続かないのである。

マリアンヌにドイツの二重スパイの疑惑がかけられたのだ。

「事実なら君の手で始末しろ。できないなら君も処刑する。」

上官からの非情な通告。

マリアンヌのスパイ疑惑を確かめるためのミッションが進行する中、マックスは自分の手で妻の潔白を証明しようと危険な行動に出る。リミットは72間

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信じたい、でも信じきれない。

前半はマリアンヌの方にばかり目が行っていたが、後半はマックスの苦悩に注目が移る。

結末は、観客の予想通りの場所へ着地する。

それしかない。それ以外はあり得ない結末にまっすぐに向かっていくなかで、それでも祈るような思いが湧き上がっていた。「どうか、このまま3人で逃げ延びて。」

そしてやはり、マリオン・コティヤールの美しさに惹きつけられずにはいられなかった。

すべてを覚悟したうえで、今生の別れをしながら娘に微笑みかけるマリアンヌはこの世の物とは思えないほど、深い愛に満ちていて美しかった。

「愛している。アナをお願い。」

一言残して自ら命を絶つマリアンヌ。

自身がスパイとして生きてきたマリアンヌは、裏切り者である自分をかばうことがマックスの身を滅ぼすこともわかっていた。そしてマックスが自分を最後まで守ろうとすることもわかっていた。

だからマリアンヌにはこうするしかなかった。心から愛した夫と娘の未来のために。

二重スパイ疑惑が持ち上がってからのマックスの行動が挙動不審すぎるので、バレバレじゃないかと思っていたらやはり当然ながらマリアンヌはすべてを察していたのですね。

すべてを予測してアナに書き残した手紙が胸を打ち、3人で過ごした幸せで美しい日々が脳裏によみがえり、そっと私の目からも涙がこぼれたのでありました。

戦争がなければ、マックスとマリアンヌはそれぞれ別の場所で穏やかな人生を送り、出会うことはなかっただろう。戦争によって導かれた二人は、その戦争に引き裂かれてしまう。戦争に翻弄された悲しい男女の物語でした。

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 『マリアンヌ』の感想 まとめ

正直なところ、「王道」に過ぎる感じがあり、物足りなさを感じなかったと言えば嘘になる。が、正攻法で真正面から攻めてくるドラマチックなラブストーリーは、主演のふたりの魅力によって、見ごたえのあるものになっていたと思う。

予想された結末であっても、どうかそうならないでほしいと祈らずにいられなかったのは、マックスとマリアンヌに好感を持ち感情移入していたからだ。

また、冒頭のパラシュートでの降下シーンや砂嵐で二人が結ばれるシーン、スリル&迫力満点の大使暗殺シーンなど、大作を撮り続けてきたゼメキスらしい、ダイナミックなカメラワークが随所に観られたところもよかった。

ドラマチックなラブストーリーなので、劇場は女性のお客さんが多かったです。

ところでこの作品の中でのブラピの肌が綺麗すぎて、CGじゃないかという噂があるらしい(笑)私はあまり気にならなかったけど。

気になったことなど。

 アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネート

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しつこいようだけど、とにかくマリオン・コティヤールが美しいのだけれど、身に纏う衣装がまた素晴らしいのだ。衣装が変わるたびにうっとりと見とれてしまうほどだったのだけど、本年度のアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされているらしい。果たして受賞はなるのか?

マックスの妹ブリジット

演じたのはリジー・キャプラン。見たことあるなぁと思ったら『ミーン・ガールズ』や『バチェロレッテ』に出演している女優さんだった。

それにしても、このブリジットがレズビアンなのだけど、あの時代のロンドンで堂々とレズビアンを公言して恋人と人前でキスを交わすって、ありえるのかなぁというのが気になった。

『イミテーション・ゲーム』では主人公はひた隠しにしていたし逮捕までされてたよなぁと。特に本編に関係のない取ってつけたような設定に少々違和感を感じました。

以上、『マリアンヌ』の感想でした。

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