前2作をおさらいしてから、鑑賞しました。
おさらい記事>>>>『スター・トレックBEYOND』を鑑賞する前にシリーズおさらいしました。
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Contents
『スター・トレック BEYOND』
監督・出演・製作 基本情報
監督:ジャスティン・リン
出演・クリス・パイン/ザカリー・クイント
製作:2016年/アメリカ
ざっとあらすじ。
前作『イントゥ・ダークネス』で強敵カーンを倒し、エンタープライズ号のクルーたちと5年にも及ぶ長期任務へと旅立ったカーク。
それから3年が経過。クルーたちは大きく成長していたが、カークは長い任務の中で進む道に迷いを感じ始め、スポックもまた深い迷いを抱えていた。そんな時、旅の途中で立ち寄ったヨークタウン基地で、不時着した宇宙船の救助任務を受けたカークたちの前に、強大な敵クラールが立ちはだかる!
という、本作。2007年から始まった新シリーズの三作目です。
本作から監督がJ.J.エイブラムスから『ワイルド・スピード』シリーズの監督として知られるジャスティン・リンに変更になりました。
シリーズには欠かせないレギュラーメンバーに加えて、本作から2人の新しいキャラクターが登場します。
☆クラール
本作における敵キャラ。いかにも悪そうな見た目(笑)
カークたちが不時着した惑星で、惑星連邦への復讐の機会を狙い続けていた。「あるもの」を探している。
☆ジェイラ
カークたちが不時着した星の原住民の少女。家族をクラールたちに殺された過去があり。古い宇宙船を修理しながら、脱出の機会を待っている。分身の術が使える。
以下は、ネタバレしています。
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感想(ネタバレあり)
カークの成長ぶりと家族のようなクルーのまとまり
http://eiga.com/movie/83816/gallery/4/
本作を観てカークの艦長として、人間としての成長ぶりがまず印象深かったです。
冒頭、ティナクシ星人とフェノピアン星人との停戦協定の締結交渉に一人で臨んだカークの表情が大きく映った瞬間に、「今までと顔が違う!」と感じました。
前作までは「若さ」が目立ち、まだまだ荒削りで、スポックとも激しく対立していたカーク。「若気の至り」のような行動や言動が気になり、正直あまり好きではありませんでした(笑)
本作ではすっかり艦長としての風格を漂わせつつ、それでいて、やっぱりやんさちゃな部分も残している。時には無茶もやりますぜ!というところは変わらないのですよね。何とも魅力的なイイ男になっていました(*´∇`*)
エンタープライズ号のクルーたちもすっかり馴染み、それぞれが各々の持ち場で自分の能力を発揮することで、船を動かし任務を遂行している。
まるでエンタープライズ号全体で「家族」のようなまとまりを見せていましたヾ(=^▽^=)ノ
こういう「仲間との団結と友情」っていう感じが、少年漫画の熱さを思い出させてくれると言うか。この作品には少々気恥ずかしいような気がしてしまうほどの、まっすぐな雰囲気があります。
きっと、この「まっすぐさ」がこのシリーズの持ち味なんだろうなぁ(*´∇`*)
しかし、旅が順調に進む一方で、カークは深い迷いの中にありました。やはり宇宙での生活が長く続くと、あれこれ考えてしまうみたいです。
父の死んだ年を越え、地球の母の年も追い越してしまい…。地に足がついていないような不安定な感覚と、この先に何があるのか見えない不安から船を降りることを考えてるように…。
http://eiga.com/movie/83816/gallery/14/
そして一方であんなにラブラブだったスポックとウフーラの関係も何やら厳しい状況。どうやら別れ話が出てるらしい。
しかし、お互いにまだ想いを残している様子。ウフーラがプレゼントにもらった元々はスポック母の物であったネックレスを返そうとしますが、スポックは受け取りません。
そう、スポックもまた迷いの中にあったのです。まあ、この理由が…。
「バルカン人の種を残したい。」
(゚Д゚)ゴルァ!!
気持ちはわかりますよ、わかりますけれども。女性の立場からすれば、「ふざけんな!」となりますわね。ダメですよぅ、他の女性との間に子供を作りたいとか言っちゃ。ウフーラからしたら悲しすぎる(ノд・。) グスン
でもウフーラもスポックの気持ちがわかる分、責め立てることもせず、別れる道を選ぶしかなかったんだろうなぁ…。
スポックもウフーラへの想いを断ち切ることができず、バルカン人としての論理と、地球人としての感情が揺れているようです。(スポックの母は地球人)
そして、そんな頃、第一作で未来から飛ばされてきた老スポックの死の知らせが届き、スポックも船を降りて老スポックの跡をつぐべきではないか、とさらに迷いが深まっていくのです。
敵の襲撃
補給のために立ち寄ったヨークタウン基地で、束の間の休暇を楽しんでいたクルーたちだが、基地で救難信号を受信。未知の星雲に不時着した宇宙船を捜索し仲間を助けて欲しいというカララという異星人とともに、エンタープライズ号が救助に向かうことになる。
そこには敵が待ち構えており、エンタープライズ号は激しい攻撃を受ける。
敵は、第一作に出てきたロミュラン船のような大きな宇宙船ではなく、小型戦闘機が群れになって襲ってくるというもの。
数が多くて波のようにうねりながら、エンタープライズ号に纏わりついてくる。その敵の様子がなかなか不気味で、いい感じ(´∀`*)
通信もできない。ワープもできない。シールドも武器も効かない。危機的な状況にありながら、クルーたちがそれぞれ全力を尽くすが、どうしようもなく、愛着のあるエンタープライズがボロボロにされているさまは中々辛い。
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船には謎の異星人クラールとその仲間たちが乗り込んできて。クルーたちを襲いながら「あるもの」を船の中で探していた。それは古代の遺物「アブロナス」
停戦協定の証として、フェノピアン星人がティナクシ星人に贈ろうとして叶わなかった古代の遺物だった。実はこれが強大な力を持つ武器だったんです。
まー、まさか最初にこれが登場した時は、そんな重要なアイテムだとは思いもせず!
始まったばかりなのに、もうこんなにボロボロになっちゃうの!
と、観客も驚くほどエンタープライズ号がズタボロにされてゆく中、なすすべもなく、クルーたちは船を捨て脱出ポッドで次々と脱出。しかし、ほとんどの者たちは敵に捕まり、捕まらなかったものも連絡も取れない状況でバラバラにされてしまう。
今までの作品は宇宙船の中でのシーンが多かったように思うのだけれど、この作品はここで船を捨てたら、それ以降はあまりエンタープライズは出てこない。
バラバラになったクルーたち。
未知の惑星にクルーたちはバラバラに不時着し、カークはチェコフと、スポックはボーンズと、ウフーラはスールーと、スコッティは一人。
といった感じに、バラバラになって行動することに。
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このバラバラのクルーたちの行動とやりとりがそれぞれめちゃめちゃ面白いのです。
日頃、スポックとカーク、とか、チェコフとスコッティというコンビはよく見るけれども、なかなかペアで見ることの少ない相手と行動を共にし、会話を交わすので、これが新鮮で興味深い。
映画では前面に出てくることはないけれども、それぞれが深い絆で結ばれているのだなって、今まで描かれなかった方向からクルーたちの関係性が見られます。
そして、それぞれのグループに見どころがあり、笑いあり、ハラハラドキドキあり。バラバラになったグループが、やがて再び1つにまとまってゆくところはとても見ごたえがありました。
それだけ個人のキャラクターが確立されていて、しっかり描かれているということですよね。
ジェイラ登場
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そしてここで新しいキャラクターが登場。
一人で行動していたスコッティは一人の少女と出会います。その名はジェイラ。彼女のすみかはかつてこの星に不時着した古い地球の宇宙船フランクリン号。
ジェイラは家族をクラールたちに殺され、このフランクリン号で脱出すべく、敵の目から隠して一人で修理を続けていたのです。で、エンジニアであるスコッティはこの船の修理を手伝うことに。
ジェイラを演じていたのはソフィア・ブテラ。
『キングスマン』で義足が武器になっている殺し屋を演じていました。すらりとした足で、敵を切り刻んでいたあの綺麗なお姉さんです。
▼『キングスマン』についての詳細な感想はこちら。
ジェイラの白塗りメイクのせいで、顔を観てもピンときませんが、「あぁ、なるほど!」と思ったのはジェイラ流れるようなしなやかな戦闘シーン。まるで踊っているかのように軽やかに敵を倒してゆく姿が印象的でした。
このジェイラが、カークたちと深く関わり助けてくれることになります。
クラールに囚われたクルーたちの居場所をスポックが特定し、カーク、ジェイラ、スポック、マッコイの4名で救出に向かうことになるのですが、スポックがクルーたちの居場所を特定できた理由がすごい、というかちょっとヤバい(笑)(→詳細は後述)
家族を目の前で殺された過去を持つジェイラはクラールの基地への案内を拒むも、スコティに説得され、作戦を手伝うことに。
この救出作戦のアクションシーンもなかなか迫力あり。
フランクリン号の中にあった古いバイクに乗ったカークが囮になって、敵を攪乱するのです。未来的な乗り物に乗るシーンは多々あれど、SF映画でこういう古い形の乗り物に乗るのは珍しいのでなかなか新鮮。
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家族の仇であるマナスと対決し、危機に陥ったジェイラを救うためにカークはバイクでポーンと飛んじゃいます。んで、空中でジェイラをキャッチする。
これも今シリーズでは今までにない派手なアクションシーンでした。宇宙船外のシーンが増えたせいか、アクロバティックなシーンも目立ったように思います。
クラールの正体と目的
クルーたちを無事に救出したカークたちですが、クラールはアブロナスを手に入れ、惑星連邦への復讐を果たすべく、ヨークタウン基地に向かう。彼はこの基地の人々をアブロナスで全滅させ、さらにこの基地を基点にして惑星連邦への攻撃を行うつもりだった。
そのためにヨークタウン基地の通信もすべて傍受しており、それゆえにアブロナスのありか(エンタープライズ号にあること)も把握することができたのです。
このクラール。正体はフランクリン号の船長で、失踪して行方知れずになっていたエディソンという男。元軍人で、数々の戦績を持つ英雄的存在でした。
惑星に仲間と取り残され、原住民たちの生命力を取り入れる装置で、次々エネルギーを奪い取って生きのびてきた結果、外見まで変わってしまったのだ。
演じているのはイドリス・エルバ。
降板が噂されるダニエル・クレイグに替わってジェームズ・ボンド役の候補に挙がっていると言われるイギリスの俳優。(テレビドラマ『刑事ジョン・ルーサー』で人気を博す。)
全然わからなかったわ。だって、原型をとどめてないほど変わってしまっているんだもの。それにしてもウフーラ、良く気付いたなと、感心してしまった。
何度も巻き戻して「声」を聞いていたので、声で確認したようです。
軍人として生き、命がけで戦ってきたエディソンだったが、惑星連邦ができたことにより軍隊はなくなり、それまでの価値観が一変してしまった。戦いの中で生きてきたエディソンにとっては、惑星連邦がただ、甘く愚かなものにしか見えなかったようだ。
不時着した星で来ない救助を呪い、見捨てられたと思ったクラールは連邦への復讐を誓ったのだ。元は地球人だから英語が話せたんですね
ヨークタウンへ向かうカークたちに再び、あの小型戦闘機の大軍が襲い掛かる。万事休すかと思いきや、しかし、この弱点がなかなか予想外のもの(笑)
えー!そんな単純な理由ってありなの??
とは思いますが、フランクリン号で見つかったラジオを大音量で流すことによって、敵の通信網を妨害して、編隊をかく乱させるのでした。ラジオの大音量とともに、小型戦闘機の群れが瓦解してゆく様子は圧巻です。
ハイテクの時代にこんなアナログな手段をぶつけてくるというのもおかしかった。
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ヨークタウンについたクラールは「アブロナス」を使って、住民たちを全滅させようとする。それを阻止するためにカークたちが負う。
ヨークタウンでのカークとクラークの空中での格闘が幻想的で美しく、高所のためにクラクラするほど大迫力。最初から最後まで迫力あるアクションシーン満載でした。
クラールを倒したカークとスポックはそれぞれ、船に残ることを決意する。
派手なアクションと美しいCG、SFらしくないアナログな道具立て、そして時折くすっと笑わせてくれるコミカルなやりとりが散りばめられていて、エンターテイメント作品としては取っても楽しめる作品となっていました。
以上。『スター・トレックBEYOND』の感想でした。
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その他気になったこと。
ヨークタウン基地の美しさ!
透明な球体の中に築かれた街。複雑に立ち並ぶ高層ビル。まるで空を飛んでいるような電車、様々な姿をした異星人たち。終盤のカークとクラールが空を舞いながら格闘するシーンも非常に幻想的で印象に残りました。
スポックがウフーラの居場所を特定した理由
それはなんとウフーラにプレゼントしたネックレスが理由!
このネックレスは放射性物質なので、放射線を辿って居場所が特定できるのです。放射性物質と言えど、微弱で人体に害はないらしいのですが。
「ウフーラが心配だった。」のだと思いますが、スポックのストーカー的?な意外な一面もΣ( ̄ロ ̄|||)
シル少尉
頭の中にアブロナスを隠してた。単純にすげー!と思いました。
当初はカララとごっちゃになって区別がついていませんでした。^^;
バルカン人の臓器の位置。
人間でいうと肝臓の位置に心臓があるらしい。
レナード・ニモイに捧げる。そしてアントンに。
初代スポックを演じたレナード・ニモイは2015年2月27日、チェコフを演じたアントン・イェルチンはこの映画の公開直前、2016年6月19日に自動車事故でこの世を去りました。
エンドロールの献辞を観た瞬間に胸がつまりそうになりました。
老スポックは画像のみの出演でしたが、チェコフは本作でも大活躍。どんどん逞しくなりスコッティといいコンビだったので、この先彼がもう出てこないんだと思うと、とてもさみしい気持ちになります。
集合写真
老スポックの遺品の中にあった1枚の写真。
それはエンタープライズ号メンバーの集合写真でした。
これ、旧シリーズのメンバーたちの写真なんですね。私は旧シリーズを観ていませんが、これはシリーズのファンにとってはたまらなかったのではないでしょうか。レナード・ニモイへの最大限の敬意と感謝が込められているように思いました。
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