公開当時「宇宙版タイタニック」と宣伝されていたので、ちょっとひっかかるものがありました。
いや、『タイタニック』自体は大好きなのです。当時、劇場で3回観て3回とも号泣したクチです。
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しかし!宣伝文句に使われると過剰にロマンチックで過剰にドラマチックで甘ったるい要素を多分に含んだ作品なのかな~と、引いてしまうところがあります…。
あまりホメてないかも、なので『パッセンジャー』が好きな方はご注意ください。
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Contents
『パッセンジャー』
基本情報
監督:モルティン・ティルドゥム
出演:ジェニファー・ローレンス/クリス・プラット/マイケル・シーン/ローレンス・フィッシュバーン/アンディ・ガルシア
製作:2016年/アメリカ
監督のモルティン・ティルドゥムはノルウェー出身。
前作『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でアカデミー監督賞にノミネートされた期待の監督さんです。(受賞は『バードマン』)
ちなみに本作は受賞はなりませんでしたが、アカデミー美術賞と作曲賞のノミネートされました。
主演のジェニファー・ローレンスは弱冠26歳ながら4度のアカデミー賞にノミネート経験を持ち、うち『世界にひとつのプレイブック』で主演女優賞を受賞しています。
もう一人の主演であるクリス・プラットは『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』(エンパイア誌『史上最高の映画100』で34位にランクイン)などのヒット作への出演があります。
あらすじ
「ハンガー・ゲーム」「世界にひとつのプレイブック」のジェニファー・ローレンスと「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラットが主演を務め、宇宙船内で極限状態に置かれた男女の愛と運命を描いたSF大作。20XX年、乗客5000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、新たなる居住地を目指して地球を旅立ち、目的地の惑星に到着するまでの120年の間、乗客たちは冬眠装置で眠り続けていた。しかし、エンジニアのジムと作家のオーロラだけが予定よりも90年近く早く目覚めてしまう。絶望的で孤独な状況下で生き残る方法を模索するうちに、2人は惹かれ合っていくのだが……。「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」のモルテン・ティルドゥム監督がメガホンをとり、「プロメテウス」のジョン・スパイツが脚本を手がけた。引用:パッセンジャー : 作品情報 – 映画.com
予告はこちら。
<スポンサーリンク>感想(ネタバレあり)
予告は面白そうだったんだけどなぁ・・・・。
宇宙でただひとり。
地球からホームステッドⅡという惑星に向けて宇宙を航行するアヴァロン号には、5000人の乗客(パッセンジャー)と258人のクルーたちが乗っており目的地につくまで120年の間もの長い眠りについていた。
▼こちらがアヴァロン号。
宇宙船が円形なのはいつものことなのだけれど、大きな羽のような形のものがくっついているのは珍しく、美しさが際立っていました。この中には5000人もの人が冬眠についており、食堂やレストラン、映画館等のレジャー施設も備えていてなかなか快適そうです。
地球を出発してから30年後。
一人の男が冬眠ポッドの故障により予定より90年早く目を覚ましてしまう。男の名はジム・プレストン。技術者。
出典:http://eiga.com/movie/79921/gallery/4/
何が起こったのかわからず、広い宇宙船内を歩き回り、人を探し、マニュアルを読んで冬眠ポッドを直そうと試みたり。操縦室に入ろうとドアを破ろうとしてみたり。
できることはすべてやり尽くした上で、どうにもならないと思い知る瞬間の絶望を思うと、ぞっとした。
ふと「ライカ犬」のイメージが頭をよぎった。
宇宙空間に打ち上げられ、二度と地球に戻ることができず、宇宙で死を迎えた一匹の孤独な生き物。
食べるものはある。寝る場所もある。広々とした快適な空間で、レストランやバーがあり、ゲームや映画も楽しめる。
でも死ぬまで一人。
『オデッセイ』のマット・デイモンは「生きて地球に帰る」という希望を持つことができた。
しかし、ジムにはその希望さえない。
権限が制限されているので宇宙船のシステムにアクセスすることもできないし、自分の危機を地球に知らせるだけで19年、返信が来るのは55年後。待つのは孤独な死のみ…。
返信待ちで寿命が尽きる…。
そもそも危機管理はそれでいいのか?
お( ̄o ̄)い( ̄△ ̄)お( ̄o ̄)い( ̄△ ̄)
とは、みんなが思ったことと思います。
ホームステッド社の事業が事業として破たんしてるような気もしますね。
▼話し相手はアンドロイドのアーサーだけ。
アンドロイドのアーサーはいつもほんのりとした笑みを浮かべジムの唯一の話し相手。(ただし下半身に問題あり(笑))
たとえ相手がアンドロイドであっても、人間は会話を欲するものらしく、ジムは毎晩バーに通いアーサーとの会話を楽しむ。
このアーサーとジムのちょっとかみ合わない会話が笑いを誘いました。
終盤の宇宙船トラブルの際に、無表情に頭をテーブルに打ち付けグラスを割りまくるシーンはちょっとホラーでしたがね(笑)
あ、バーのシーンは『シャイニング』のオマージュなんだそうです。監督がスタンリー・キューブリックの大ファンなのだとか。
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運命の出会い、そして過ち
外に広がるのは無限の暗闇。
孤独は徐々にジムの心を蝕んでいく。
やがて耐えられなくなってしまったジムは、
眠っていた乗客の女性オーロラ・レーンを目覚めさせてしまう。
http://eiga.com/movie/79921/gallery/2/
w( ̄△ ̄;)wおおっ!
オーロラが目覚めた理由は想定外…。
なんと…。
犯人はジムでした…。
絶望にのあまり自ら命を絶とうとするも、できなかったジムは、冬眠ポッドの中で眠りにつく美女=オーロラを見つけ、ひと目ぼれ。
オーロアのことを宇宙船内のシステムを使って調べあげ、オーロラの眠り顔を見ながらともに時間を過ごすという、異常な状況下なので同情の余地はあるとはいえ、
少々気持ち悪いストーカー的行動を続けた末の犯行です。
はい、引きました(笑)
自分がいくら孤独で絶望してるからって、同じ孤独に人を引きずり込むのか…。
それは決して人として正しいことではないけれども。
でも気持ちはわからなくもない。
葛藤や逡巡があったこともわかるし。
それが許されるかどうかは別問題として、ジムが苦しんだのはわかります。
何はともあれ 宇宙空間で美男美女が二人きり、となれば愛が芽生えないはずがなく。
しばらく二人のいちゃいちゃシーンが続きます。
これがけっこう長くて…。
ごめん、ちょっと退屈だったかも。
ジェニファー・ローレンスがポロリしそうでしないのも残念。
きわどいところまで見せるなら全部見たかった。(※水着姿は見られます。)
▽ピアノ弾いたり。
▽花束プレゼントしたり。
宇宙に二人きりとはいえ、快適でゴージャスな空間を独占できているのでそれなりに楽しく暮らしています。
つい失われた未来を思って涙を流す夜もあるけれど、オーロラはジムと出会えたことを心から感謝してさえいる。
まあ、どんな相手と二人きりになるかはかなり重要ですよね。
目が覚めたら目の前にいるのが、クリス・プラットじゃなくて、スティーブ・ブシェーミ、とかだったら、何も芽生えないと思うし。
二人はいい感じで愛を育んでいき、ジムは指輪を用意して(というか盗んだ)いざプロポーズという時に、オーロラは自分がなぜ目覚めたのか、真実を知ってしまう。
彼女は先ほどまで心から愛していた男性を、一瞬にして憎まざるを得ない状況に追い込まれてしまう。
オーロラがジムを「殺人者」と罵ったように、人生をまるごと奪われてしまったわけだから謝られても許せるものじゃない。
信じて愛していたからこそ憎しみは増幅するばかり。
寝込みを襲って 殴る蹴るの暴行を加えたくなるのも仕方ないと思います…。
自業自得とはいえ、愛する女性から強い憎悪を向けられしょんぼりするジムは、それでも自分が取り返しのつかないことをしたことがわかっているから激しい暴行を加えられても無抵抗のまま(ノ△・。)
どこにも逃げようがなく二人でいるしかない地獄のように気まずい状況で、もう一人目覚めちゃった人がいたんです。
ローレンス・フィッシュバーン演じる乗員のガス。
いつもの通りのいかつい顔とがっちりした体躯で迫力満点に登場し、「ようやく面白くなるか!」と期待が膨らんだのですが、
あっさり死んじゃいましてね。
Σ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!!
死にそうになってるけど、最後のひと踏ん張りで何かしらの大活躍を見せるんじゃないの???きっとそうだよね?
と、最後の最後まで期待したのですが、そのまま死んでしまいました…。
ガスのおかげでシステムにアクセスできるIDが手に入りましたし、ガスの言葉でオーロラの心がほぐれたりもしましたので、いらなかったんじゃないか、とまでは言いませんけど。
言いませんけどね、残念でした(≧ヘ≦) ムゥ
5000人の命を救うために
この後は、宇宙船のトラブルで5000人の乗客もろとも爆発の危機に瀕することになりまして。
男は女が「行かないで。」と止めるのも聞かずに、命の危険を顧みずにトラブルに向かっていき、見事に一仕事成し遂げ、そのまま死んでしまうかと思わせてぎりぎりのところで命が助かって。
一人だけなら冬眠に戻れることがわかったので「オーロラ、君が戻れ。」という話になりますが、オーロラは眠りにつかずに二人で死ぬまで一緒にいることに決めて、ジムは盗んだ指輪でプロポーズしてハッピーエンド。
うーん…。
あまり好みではなかったこともあり、 どうも雑なまとめになりました。
「溺れるものはしがみつく。そうしないと溺れ死ぬから。」
とはガスの言葉ですが、この過酷な状況でジムを許して「冬眠せずに残ります。」っていうオーロラの決断があまりにあっさりしすぎているように見えてしまった…。
「You die,I die」も感動的なシーンなはずが、ちょっと唐突に感じましたよね。
二人のラブラブなシーンは少し短めにして、もうちょっと愛憎のはざまで苦しむ二人、みたいなのが見たかった。どろどろした感じのやつ。
もしくはジムの眠っているオーロラへの執着をもっと変態チックにしたやつ。
<スポンサーリンク>まとめと気になったこと。
私は『インターステラー』や『オデッセイ』のようなガチのSFサバイバルを期待していました。みなが眠りにつく中、二人だけ目覚めてしまった男女がそれぞれのスキルを生かしつつ、次々に襲い来る危機に立ち向かい、みんなを新天地に導くぞ!的な…。
だがしかし。
ほとんど主役のふたりがいちゃいちゃしてるだけの作品でした。
つまらないわけじゃないんだけど、もうちょっと何インパクトか欲しかったなぁ。
あ、でもちりばめられた笑い、特にジムが目覚めて一人きりのシーンの笑いは好きでしたよ。 (とフォローしてみる。)
宇宙に浮かんでいるようなプールが綺麗だった。
ストーリーはあまり好みではなかったのですが、それでも大きな製作費が使われた大作だけあって映像面でのみどころは多かったです。
私は好きなのは宇宙に浮かんでいるみたいなプール。
ジェニファー・ローレンスのちょっとむっちりした水着姿もセクシーで、好きなシーン。
重力の異変でプールの水が球状になって浮き上がってしまい、そのなかにオーロラが閉じ込められてしまうシーンは迫力あって見ごたえありました。
あと、二人で宇宙遊泳するシーンも好き。『タイタニック』の「 I’m flying, Jack !(飛んでるわ!)」を思い出しました(笑)
クリス・プラットの後姿。
ジェニファーのぽろりはありませんでしたが、クリス・プラットのぽろりはあります。
孤独すぎて自堕落になってしまったジムがほぼ裸で生活しているという描写があり、クリスの裸のおしりが丸見えでした。
最後に登場した船長さん。
ちょこっと登場したラストの船長さん、アンディ・ガルシアだったらしい。
見たことある気はしたのですが 全く気が付きませんでした…。
当初はキアヌ・リーヴスが主演予定だったらしい。
当初の主演はキアヌ・リーヴスだったらしい。相手役はレイチェル・マクアダムス、エミリー・ブラントあたりの名前が出ていたらしいです。そっちが見たかったかも。
以上、『パッセンジャー』の感想でした。
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