余生を過ごすために、7人の男女がイギリスからインドにやってきました。
何といってもイギリスを代表する名優たちの豪華な共演が見どころ!そこに爽やかな風を吹き込んでいるのがデヴ・パテル。
『スラムドッグ・ミリオネア』で映画デビューし、『LION/ライオン 25年目のただいま』でオスカーにノミネートされたデヴ・パテルが陽気でポジティブな現地インドの青年を演じています。
▼『LION/ライオン 25年目のただいま』の詳細な感想はこちら。
『LION ライオン 25年目のただいま』/グーグルアースがもたらした奇跡の再会。実話を元にしたウソみたいな本当のお話。
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Contents
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
監督・出演・製作 基本情報
監督:ジョン・マッデン
出演:ジュディ・デンチ/ビル・ナイ/マギー・スミス/トム・ウィルキントン
製作:2012年/イギリス
あらすじ
人生の終盤に差し掛かった彼らは様々な事情を抱えて、インドの豪華ホテル「マリー・ゴールドホテル」にやってきた。しかし、彼らを迎えたホテルは、ぼろぼろのホテルだった。
感想(ネタバレあり)
イギリスの名優たちが勢ぞろい。
本作の魅力はなんといってもキャスト!
出演陣の豪華さに、思わず手に取ってしまった作品です。
ジュディ・デンチ、マギー・スミス、ビル・ナイ…イギリスを代表する名優たちの共演を楽しみに鑑賞しましたが、期待を裏切らない作品でした。
快適な老後を過ごすために、イギリスからインドへ移住したシニア世代の7人の男女が織りなすコメディードラマ。 非常に後味のよい作品で、鑑賞後心にあたたかいものが残ります。
以下、7人のメンバーを軽く紹介。
イブリン (=ジュディ・デンチ、「007」シリーズのM、「あなたを抱きしめるまで」「あるスキャンダルの覚え書き」)
⇒長年連れ添った夫を亡くしたばかりの未亡人。夫の借金を返済するために家を売った。
ダグラス (=ビル・ナイ、『ラブ・アクチュアリー』『あるスキャンダルの覚え書き』)
⇒出資した娘の事業が失敗し、当初想定したイギリス国内で老後を過ごすことは断念し、夫婦でインドに移住することに。予定が変わってしまったけれど、それはそれで楽しめばいいと考えてる。
ジーン (=ペネロープ・ウィルトン、『ダウントン・アビー』のイザベラ)
⇒ダグラスの妻。悲観的で愚痴っぽい。インドに来ることになったことが気に入らず、日々文句ばかり言って暮らしている。
ミュリエル (=マギー・スミス、『ダウントン・アビー』シリーズのバイオレット、『ハリー・ポッター』のマグゴナガル先生)
⇒差別主義者でインド人にも偏見がある。人工関節の手術を受けるためにインドへ。 元メイドで、誠実に仕えてきたお屋敷からお払い箱になり、傷ついている。
グレアム (=トム・ウィルキンソン、『バッドマンビギンズ』カーマイン・ファルコーニ)
⇒元判事。エリートだが、それを鼻にかけることもないイギリス紳士。同性愛者。かつて愛した恋人マノージに会うためにインドに来た。
マッジ(=セリア・イムリー)
⇒恋多き女性。金持ちの夫を探して婚活するためにインドへ。
ノーマン(=ロナルド・ビックアップ)
⇒プレーボーイ。ロマンスを求めてインドへ。
老いることは素敵なことだ。
老いることは、決して悪いことでも怖いことでもない。 むしろ素敵なことだ。そんなふうに思わせてくれる映画でした。
7人はみな様々な事情を抱えており、祖国へ戻りたくても戻れない者もいる。傷ついて孤独に苛まれる時もある。
しかし、彼らは生きることに前向きである。
”もう、この先長くないから”とは考えない。
今現在、生きていることを、そして先は長くはないにしろ、しばらくは続いていくはずの明日のことを考えている。
若かりし頃の弾けるような生命力や、突拍子もない無謀ともいえる行動力はないかもしれない。しかし長く生きてきたからこそ、身に付けた知識や、重ねてきた経験に基づいた円熟した判断力や、渋みを増した魅力がある。そして、それを若い世代へと伝えてゆくこともできる。
イヴリンはコールセンターで働き始め、そこで今までの人生経験を生かして、スタッフの教育係になり、ミュリエルは大きなお屋敷を取り仕切ってきた経験を生かし、ホテルの経営に携わるようになる。
ダグラスとジーンは夫婦として「ある結論」を出し、グレアムは長年思い続けた恋人との再会を果たす。ノーマンは若い恋人を見つけ、マッジは貪欲に婚活を続けている。年老いてなお、彼らは自分らしく生きることを大事にしている。
この物語には「別れ」もありますが、その別れをしっかり受け止めて、立ち止まらずに前に進んでゆく。
彼らは決して完璧な人間ではない。しかし長い年月、懸命に生きてきた。 だからこそ、人生も終わりの時期に差し掛かっても、さらに輝くことができるんだろう。
「何事も最後は大団円。今はそこへの途上」
とてもポジティブな、力強い言葉が印象に残ります。
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好きなシーンをいくつかご紹介。
かつて、心から愛した同性の恋人マノージに会うために、インドにやってきたグレアムのエピソードがとても好きで、二人が再会した瞬間に抱き合うシーンは思わず涙が浮かびました。
マノージが奥さんにすべて話していた、っていうのも素晴らしい夫婦だなって思いました。まるごとパートナーを受け入れる。それができる人ばかりではない。マノージは幸せに暮らしていたんだなぁ。そのことを知ったグレアムもきっととても嬉しかっただろう。
過去を後悔して、自分を責めて泣くイヴリンをダグラスが思わず抱きしめるところも、ひどい差別主義者だったミュリエルが現地の人に心を開いてゆくところも、好き。
年を重ねても過ちは犯すし、人生はやり直しはできないけれど、新しく何かを始めたり、誤りを正してゆくことはいくつになってもできるんですよね。
マリーゴールド・ホテルのオーナーを演じたのは…。
たいへん心に残る作品となった『マリー・ゴールドホテルで会いましょう』ですが、
個性豊かな7人が滞在することになる『マリー・ゴールドホテル』のオーナー、ソニーを演じたのは『スラムドッグ・ミリオネア』で主人公ジャマールを演じたデヴ・パテル。
デヴは『マリー・ゴールドホテルで会いましょう』では、ちょっと天然ボケ気味で、経営者としてはまだまだ未熟者なソニーを演じ、とびっきりの明るい笑顔で映画を盛り上げてくれています。この作品ではまだ少年らしさを残していたデヴですが、今ではすっかり大人の俳優さんになり、『ライオン/25年目のただいま』ではオスカーにノミネートされました!
▼デヴ・パテル主演。実話を元にしたウソのような本当の物語。
『LION ライオン 25年目のただいま』/グーグルアースがもたらした奇跡の再会。実話を元にしたウソみたいな本当のお話。【ネタバレあり】
続編が作られたました!『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』新キャラクターも登場し、マリーゴールドホテルはさらに賑やかに!
『ダウントン・アビー』好きなら、ぜひオススメ。
『ダウントンアアビー』のファンにとってはバイオレットとイザベラの共演が嬉しいところです。(※『ダウントン・アビー』での役名) イザベラを演じている女優さんは、ペネロープ・ウィルトンというのですね。
▼華麗なる貴族とメイドたちの人間関係の”どろどろ”と”いざこざ”満載
『ダウントン・アビー』以外で、ペネロープの出ている作品を初めて観ました。本作では あまり共感できない女性の役でしたけれども(;^_^A アセアセ(・・・だって、嫌な女でしたよね…?)
いずれにせよ、バイオレットとイザベラの共演を別の作品で見られてよかったです
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