本日の映画は『ある天文学者の恋文』
予告編を観てオルガ・キュレリンコの泣き顔があまりに美しかったので、本日劇場にて鑑賞してきました。
オルガ・キュリレンコといえば、『慰めの報酬』でボンドガールに抜擢されました。クールビューティって感じで好きな女優さん。
>>『007』シリーズ全作品一覧。歴代ジェームズ・ボンドとボンドガール。
相手役のジェレミー・アイアンズも好き(*´∇`*)
Contents
『ある天文学者の恋文』
監督・出演・製作 基本情報
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ジェレミー・アイアンズ/オルガ・キュリレンコ
製作:2016年
監督は『ニュー・シネマ・パラダイス』、『海の上のピアニスト』で知られるジュゼッペ・トルナトーレ。
その作品を彩る音楽はもちろんエンニオ・モリコーネ!
モリコーネは『ヘイトフル・エイト』で第88回アカデミー作曲賞を受賞。初受賞だったのも驚きなのですが、87歳での受賞でした。(名誉賞は2007年に受賞)
オルガの美貌と、トルナトーレの映像、モリコーネの音楽、美しいものに彩られた作品で物語が淡々と進んでゆくこともあり、ゆったりとした時間の中に身を任せました。
が!!率直に言って、
お話自体は、あまり好みではなかったですヾ(ーー )ォィ
あらすじ
世界的に著名な天文学者のエドとその教え子のエイミーは恋人同士だったが、エドはエディンバラに生活の拠点があり、一緒にいられる時間は少なく、かつ二人の関係は周囲には秘密だった。
ともに過ごせる時間は濃厚に愛し合い、離れている間は電話やメール、スカイプで連絡を交わし合う。寂しさを感じながらもエイミーは幸せだった。
ある日、エイミーはエドの突然の訃報を知らされる。
エドは数日前に亡くなったのだという。
いったい何が起こったのか…。聞かされた事実が理解できずに混乱するエイミー。
なぜならば、エドからは変わらず手紙やメールが届き続けていたからだった。
エドの死が信じられないエイミーは彼の家のあるエディンバラをさまよい歩くが、エドは確かに亡くなったこと、そして彼がエイミーのために「ある仕掛け」を残したことを知る。
それは自らの死期を悟ったエドが、自分の死後、時空と空間を超えてエイミーに永久の愛を伝え続けるために作り上げた仕組みだった。
次々にもたらされるエドからのメッセージやプレゼントを受け取り、思い出のサン・ジュリオ島を訪ねるなかで、エイミーは自身の過去とも向き合ってゆくことになる。
以下は完全にネタバレしております。
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感想(ネタバレあり)
秘密を抱えた二人。
冒頭から迫った別れを惜しむようにホテルの一室で情熱的な抱擁を交わす二人が描かれる。
「何か隠している秘密はないか?」と尋ねるエドの質問をエイミーははぐらかす。
そうエイミーには秘密があり、エドにも秘密があった。
出典:http://eiga.com/movie/84616/gallery/3/
エイミーの部屋の前で名残惜しそうな表情で、立ち止まり考え込むような表情を見せるエド。
きっとこれが最後の逢瀬になることが、わかっていたのかもしれない。エドは自分が病で長くないことを、秘密にしたまま去って行った。
カミカゼと魔法使い
唐突にアクションシーンが挿入されるので、面食らいましたが、エイミーは学生として天文学を学ぶかたわら、スタントマンをしていたのですね。
危険な撮影を乗り切った後に、生きている実感が得られるから、と。
首を吊ったり、炎に包まれたり、爆破で吹き飛ばされたり…なかなかハードなスタントに挑戦しています。どんな映画だろ(・_・?)
スタントをこなすエイミーのことを、エドは「カミカゼ」と呼び、エイミーはエドを「魔法使い」と呼んでいました。
エドはエイミーの行動や心理を読み、抜群のタイミングでプレゼントやメッセ―ジを届けることを好んでいたから。エイミーにとって、それはまさに「魔法」のようだったのです。
エドは死後もエイミーに対して「魔法」を使い続け、彼女に愛を届け、導いてゆく。
どれだけ、エドがエイミーをエイミーが愛していたかわかります。
自分の死を知った彼女がエディンバラへ訪ねてくることまでも予想し、それを前提にしたメッセージを残していたのですから…。行動読まれまくりです。ちょっと、やりすぎじゃない?って思いました。思いません?過剰に忖度しすぎ。
私は過剰に忖度されるのは苦手で、行動を先読みされると、逆のことをしたくなるあまのじゃくなところがあるので、エドとは相性があまりよくなさそう(苦笑)
死せる星との対話
出典:http://eiga.com/movie/84616/gallery/4/
天文学者のエドらしく、宇宙の神秘についての話題を交えながらストーリーは進んでゆきます。
そう。空を見上げて輝く星の輝きは、今この瞬間に放たれたものではない。ずっと以前に放たれ、宇宙を旅してきた光が地上に降り注いでいる。
それはすでに消滅した星が、最後に放った輝きかもしれない。死せる星の輝きに魅せられ、死せる星と対話するように、死してなお、愛を育んでゆくこともできる。
宇宙が永遠に続くように、愛もまた永遠なのだと、エドのメッセージは教えてくれる。
エイミーの書いた博士論文のタイトルは「死せる星との対話」
エドとの不思議なやりとりを想って付けたタイトルであることに違いない。
優しさとユーモアにあふれたエドからのメッセージの数々。エイミーが望めば、それが中断され、気が変われば再開されるようにもしておき、さまざまな分岐を想定し、協力者たちに託し、作り込まれた愛に溢れる仕掛け。
エイミーはどんなふうに彼がこの「仕掛け」と作り上げていったか…。そして彼が、決して明かさなかったエイミーの「秘密」を探っていたことを知る。
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二人の関係。
出典:http://eiga.com/movie/84616/gallery/7/
年齢が親子ほども離れている二人の関係に、正直なところ、戸惑いました。
エドには娘と息子がいるのですが娘はエイミーと同じ年です…。妻はいるのかなぁ。映画には登場しなかったので、不倫関係かどうかは不明ですが。エドの娘はエイミーを快くは思らず、当初は敵意を露わにします。
どちかというと、私はエイミーの立場より、この娘さんや映画には登場しなかった奥さんの立場に心情が近くて。
「エイミーに出会ってからの6年間が人生で最も輝かしい日々だった。」というエドの言葉を聞いても、「じゃあ、奥さんや子供と過ごした日々は??」という思いが湧いてきてしまいました。
エイミーの「秘密」を知ると、ああ、こういう関係もありえるかも、とちらっと思いましたが、それは、あくまでもエイミーの立場からすれば、ね。
この話を根本をひっくり返すことになりますが、まだ若く美しい女性を、あえて手放してやるのも愛ではないかと思うのです。
エドには遠いエディンバラの地に家族がいて、エイミーと一緒にいることはできないのですから。
病気であることを隠して死んでしまい、死後も自分の存在をさらに深く刻みつけ繋ぎ止めようとする。自分は死んでるからいいかもしれないけれど、残された方はきつい…。
泣いてる人もいましたが、感動的な愛の物語だとは思えず…。
出典:http://eiga.com/movie/84616/gallery/8/
誰の立場に一番共感できるかで、作品自体の評価も変わってきそうですね。
もしもエイミーが長年連れ添った妻だったら、もっと素直に二人の愛を受け入れられたのかも。
消滅した星の光は、星が消えた後も存在し続けるけれども、それは永遠ではない。消滅した星の光はいつか消えてしまうもの。準備したメッセージの数々にも限りはあり、いつかは終わりを迎える。
「背中」で語るエドの言葉に、エイミーは何を想ったのだろう?
このままエドを忘れられずに生きていくのなら、残酷すぎると思った。
しかし、そうはならないではないのかも。
あのエドの言葉は彼なりの、別れの言葉だったのではないかと思いました。
過去の秘密と向き合うことでそれを克服し、スタントを止め、電話番号を変え、髪を切ったエイミーがにこやかに笑うラストシーンは、新しい物語の始まりを予想させるものに思えたのです。
もしそうならば、エイミーにはかつて心から愛し、愛された経験と思い出は大事にしつつも、これから先、新しい恋を見つけて幸せになってほしいなぁと思いました^^
とにかくオルガが美しかったです。泣き顔も笑い顔も、怒った顔も。(ポロリもあります。)
ジェレミー・アイアンズの渋さも(*´∇`*)
やや腑に落ちない部分もありましたが(マナーモードにしなよ(怒)とか、エドの娘の反応とか…。)綺麗な映画ではありました。
以上、『ある天文学者の恋文』の感想でした。
あかり
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