愛する息子が交通事故を起こして子供を死なせてしまい、母として、どんな手を使っても息子を救おうと奮闘する、げんなりさせられるお母さんのお話です。
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『私の、息子』
監督・出演・製作 基本情報
監督:カリン・ピーター・ネッツァー
出演:ルミニツァ・ゲオルジウ/ヴラド・イヴァノフ
製作:2014年/ルーマニア
初めてのルーマニア映画です。
感想(ネタバレあり)
母親がきつい…。
交通事故で子供を死なせてしまった息子バルブのために、自分のコネを最大限に使って、なんとか息子を不起訴にさせようとする母親コルネリアの、過干渉ぶりがものすごく気持ち悪い映画です。
序盤から、コルネリアがひじょ~にしんどい人で、イライラしっぱなし。
まったく人の話を聞かない。視野が狭い。
過干渉を母の愛と勘違いしていて、親切を押し付けて、相手の気持ちをいっさい忖度しない。
あぁ、面倒くさい。゜゜(´□`。)°゜。
買い物を頼まれても…。
息子に買い物を頼まれて、買うべき商品を何度も念押しされたのに、勝手な判断で違う商品を買ってくるエピソード。
これだけ見ると小さなことなのですが、印象に残るエピソードでした。
きっと一事が万事こんな感じなんだろうなぁとげんなりしてしまいました…。
息子もそんな母親の性格がわかっているので、しつこいくらい念押ししていたのですよ。
しかし、予想は見事に的中。
謝るどころか、いいことをしてやった!とばかりに開き直るあたりが、
「こういう人いるわ。」
と、いろいろ思い出してげんなり(;´Д`)
息子のブチ切れ方も非常に大人げないのですが、このお母さんに育てられると、まともな大人になれそうにない感じが、びしびし伝わってきました。
ありとあらゆる物事が自分の都合よく変換されたちゃってる感じ。
自分の行動は善意から、と自分では思い込んでるので、人を追い詰めて苦しめても気が付かない。バルブもさぞかし息苦しい想いをしてきたんだろうなぁとは思います。
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何かの間違いかと…。
終盤の、被害者家族の前での涙を流しながらコルネリアが「息子を許してほしい」と話をするシーン。
正直、何かの間違いかと思いました(つд⊂)ゴシゴシ
息子を亡くした被害者遺族に対して、コルネリアも人の親なんだから、ちょっとくらいはまともなことを言うのかと思って観ていたら、最後まで自分の話しかしないし。
子供を亡くした母親を前にして、誠実な謝罪の言葉はない。
いかに自分の息子が素晴らしいか、息子が可哀そうか、息子の人生を壊さないでほしい、等々…。
挙句、あなたにはもう一人息子がいるけど、私には一人しかいない、みたいなことまで言い出す。
この人は、死ぬまで治らないんだろうなぁと、すっかり呆れ果てました。もう不気味ですらありましたよ。
一方の息子の方は…。
これもまた、自立できていなくて頼りなくてイライラさせられる人なのですが、
今回の事故が彼にとってはきっかけになるのかもしれません。
コルネリアに決別ともいえる言葉を毅然とした態度で伝えるシーン。
そして被害者の父に謝罪するラストシーンを観て、そう思いました。
彼が被害者父にどのようなことを話したのかはわかりませんでしたが、被害者父がそっと手を差し出して握手をしていたのは、きっと彼の謝罪がどこか心に通じるものがあったのかもしれません。
ちなみに存在感の薄いコルネリアの夫は…。
もう妻のことはすっかり諦めているような感じで、こちらも頼りなくて事なかれ主義な感じの人。
なのでコルネリアがますます暴走してしまうのでしょうね。
力づくでも止めたって~。
気になったこと
ルーマニアの警察がけっこういい加減だったのが印象的でした。
以上、『私の、息子』の感想でした。
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