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『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』/究極のおもてなし上手が催す特別な宴。

今日の映画は『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』

「ソウ」シリーズのプロデューサーが仕掛ける、予測不可能な衝撃クライムサスペンス、というふれこみの作品です。

「ソウ」って聞くと、思わず観たくなってしまう。すっかり術中にハマっている人は私だけでないはず(苦笑)

本作はかなり予測不可能な展開をします。未鑑賞の方は一切の前情報を入れずに、観ることをおすすめします。

『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』

監督・出演・製作 基本情報

監督:ニック・トムニー
出演:デビット・ハイド・ピアース/クレイン・クロフォード
製作:2010年/アメリカ

銀行強盗を犯した青年がたまたま入り込んだ豪邸で、とんでもない目にあう作品。という、大まかなあらすじだけを頭に入れて、Netflixで鑑賞。

あまりに予想する展開と違っていたので、びっくりしてしまった。

私の勝手な想像ですが、自分が晩餐会のディナーにされるという「ホステル」的なえげつないストーリーを想像していたのです。

ちなみに『ホステル』はこれ。アメリカの映画サイトが選んだ『一度見たら二度と観る気になれないホラー映画17本』にも選出されている、えげつなさすぎる作品(>。<*)

が、完全に裏切られる映画でした。

まあ、面白くないわけではないのです…。予測不能な衝撃、っていうのも、確かにその通りなのですが…。

モヤモヤが残ります。

途中からは「え?なんで!?」っていう急展開。

ホラーかと思いきや、ほとんどコメディみたいなもので、全然怖くないけど、前半はけっこうな破壊力のあるシーンが続くので、観ても損はなかったかな。

ざっとあらすじなど。

銀行強盗して逃げている青年ジョンは足に大けがをしていた。薬を買うために立ち寄った薬局で、今度は自分が強盗に遭遇し、財布も奪われてしまうという、ふんだりけったりなジョン。

テレビニュースによると、すでにジョンは犯人だと特定され、指名手配されているらしい。

とりあえずの隠れ場所を探すために、高級住宅街にやってきたジョンは、とある家のポストから絵葉書を盗み見て、絵葉書の送り主ジュリアの友人になりすまし、中年紳士ウォーウィックの豪邸に入り込むに成功。今夜は友人たちを招いてパーティーが開かれる予定で、ウォーウィックはパーティの準備の真っ最中だった。

やがて、ジョンの正体はウォーウィックにばれ、ジョンは包丁を突き付けてウォーウィックを脅すも、実はウォーウィックには裏の顔があったのでした。

まぁ、この裏の顔がすごいんです!

以下、ネタバレあり。

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感想(ネタバレあり)

ウォーウィックさんは変態だった。

ウォーウィックさん、困っているジョンを家に入れてくれて、あれこれ心配してくれ、一緒にパーティーに参加してもいいよって、言ってくれる優しい紳士かと思いきや…。

これが変態だったんです。しかも「ド」が付きます、ドヘンタイですよ、ドヘンタイ。

包丁を突き付けられ、いったんは主導権をジョンに握られたウォーウィックさんですが、実はジョンが飲んでいた赤ワインには薬が仕込まれていまして。

ジョンは薬が回って意識を失ってしまったのです。

で、目覚めたら、ジョンは椅子に縛り付けられており、そこではウォーウィックが一人脳内パーティーを開催していました

写真では友人がいるように見えますが、これはウォーウィックの妄想

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http://eiga.com/movie/56257/gallery/

テーブルには6人分の料理が並べられています。ジョンとウォーウィックさん、4人の友人の分。あわせて6人分。

しかし、そこにいるのはウォーウィックさん一人。

一人なのに、友人と会話を楽しみながら、食事をいただちゃってるんです。

誰もいないのに「ルパート、おいしいかい?」と聞くと、脳内ルパートが「おいしいよ。」って答える。

ルパートの分の料理は、ウォーウィックさんの脳内ではルパートがおいしそうに食べてるのですが、実際にはウォーウィックさん自身がパクパク食べちゃってる。

え?何コレ?って思いましたよ。

え?ジョンがディナーにされちゃうんじゃないの?そういう話じゃないの?って。

全然、違ってたんですね。『ホステル』的えげつない描写は1つもなかった。

ここからしばらくは、ウォーウィックさんと脳内友達の仮装パーティーが繰り広げられます。

(誰もいないのに)女を口説き、(誰もいないのに)友人たちをバックダンサーに従えてノリノリで踊りまくって、テーブルの上で腰を振りまくったり、(誰もいないのに)女とヤってるつもりらしく、腰を振りまったり。(※よく腰をふります)

ウォーウィックは、薄毛で寂しい感じの冴えない中年男性にしか見えないので、脳内友達とのパーティーでのはっちゃけっぷりが面白くて、笑ってしまいました(笑)

それに、セリフがいちいち芝居がかってておかしいんですよ

いったい何なの、「ジュリアは愛の迷子。私のチャクラは君のモノ。」って変な口説き文句は(呆)

その後、ウォーウィック氏のヘンタイぶりはエスカレートしていく一方。

ジョンは、見知らぬ人が痛めつけられている写真がたくさん貼られたアルバムを見せられ、今度は君の番だよ、なんて、暗に殺すつもりであることをほのめかされたり。

ウォーウィックさん自身が自分にメイクを施し、ナイフで自分を切り刻んでいるという、変態極まりない8mmフィルムを見せられたり。

脳内友人の人数もどんどん増殖しちゃって、ウォーウィックさんのテンションの上がり方が際限ない感じ。(本当は一人だけど)友人一同みんなで、コンガも踊っちゃう。

きわめつけは最初にジョンが盗み見た絵葉書、書いたのはジュリアじゃなくて、ジュリアになりすましたウォーウィックさんだったということ。すべてが彼の脳内に始まり、脳内に完結していたのですよ。

とにかく、ウォーウィックさんの変態ぶりを存分に見せつけられた前半でした。

で、ここらあたりまでは面白かったんですけどねぇ。

ウォーウィックさんは笑わせてくれるけれど、ジョンの身になって考えると、この狂人ぶりを目の前で見せられるのはそら恐ろしい。しかもちょいちょい身体的虐待を交えて攻撃される。

さあ、どうなるか?と思いきや。

ウォーウィックさんの意外な正体が明らかに

あれやこれやとありまして、ジョンはあっさり解放されてしまうのです。

しかも目覚めたら、特殊メイクで「傷のメイク」が施されている。アルバムの死体たちは、どうやら特殊メイクだったらしいっていうオチ。

まあ、メイクボックスや自分にメイクしてるシーンが出てきた時点で、そうかなぁとは思ったのだけれど…。

ジョンを解放したあと、脳内友人たちと、オペラを聴きながら優雅な朝の時間を過ごしているウォーウィックさんを訪ねてきたのは刑事。

あ、「ウォーウィックさん、逮捕のピンチか?」と一瞬期待したのですが、なんと、びっくり。

実はウォーウィックさんは警部補でした。

え??

もう、ここでぽかーんとしちゃった。

ジョンが起こした強盗事件を捜査している刑事は、実はウォーウィックさんの部下!だったんです

え?なんで?

ジョンのことを気づいてたの?

気づいて逃がしたの?気づいてなかったの??

急すぎる展開に、ちょっと頭がついていかなかった(苦笑)。

実はジョン、病気だけれども保険がなくて病院にかかれない彼女シモーンのために強盗をしたものの、彼女に裏切られて、一人罪を着せられ、お金は彼女に独り占めされてしまっていたのです。

ラジオの放送で流れたニュースで、自分が犯人であること等があまりに早く特定されていたことから、シモーンを疑ったジョンはレンタカーの予約履歴から彼女の居場所を特定し、シモーンを待ち伏せ。見事、お金を彼女から奪うことに成功。

シモーンを追っていた刑事たちに、シモーンは逮捕され、ジョンは無事に逃げ切るかと思いきや、それを阻止したのがウォーウィックさんで、ウォーウィックさんはジョンから金を奪い、ジョンを逃がしてやる。

ウォーウィックさんの変態ぶりや悪行はバレないのか、このまま金はすんなりフトコロに入るのか??と、腑に落ちない思いでいっぱいになっていましたが、やはり、そうは問屋がおろさず。

ウォーウィックさんの部下の元に送られてきた一枚の写真。

それは「気を付けろ」という警告文が書き込まれた、ウォーウィックさんとジョンのツーショット写真。

写真を元にウォーウィックさんを問い詰める部下が「家を調べさせてもらいたい」と言い出し、ウォーウィックさんは「じゃあパーティーをしよう」と答える。

脳内友達4人(どうやら警官だったらしい)を引き連れて歩くウォーウィックさんが映し出され、あぁ、今度は部下を招いて、またヘンタイの宴が開催されるんだなぁということがほのめかされる。

 『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』まとめ。

とりあえず、一人脳内パーティーが面白すぎて、たくさん笑わせていただきました。

ジョンが解放されてからの一連の出来事は正直どうなの?って思う部分が大きいです。しかし、前半のウォーウィックさんのはっちゃけぶりは尋常ではないので、そこは観る価値は十分。

ウォーウィックさんがなんであんなことになってたのか、演技なのか、ガチなのか、結局はよくわからないまま、…。孤独で壊れちゃったのかなって思ったけど、お金を奪うあたりは冷静そのものだったし。モヤモヤした感じは残ります。

観客をびっくりさせようとして、無理に話を展開させた感があり、そこは残念でしたが、ウォーウィックの破壊力はそういったマイナスポイントを十分カバーしうるものがあります。

以上、『パーフェクト・ホスト 悪夢の晩餐会』の感想でした。

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