今日の映画は『閉ざされた森』
ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンという個性強めの二人が共演。
ともに好きな役者さんなのですが、ダブルで来ると「暑苦しそうだな…。」(←失礼)と思い、なんとなく手が伸びなかった作品。
しかし、なかなか面白いらしいという話を耳にして、ちょうどCSで放送してので観てみました。
二人ががっつり絡むシーンは思ったより少ないので、気にしていたほど暑苦しさはあまり気にならず(笑)
騙されることの快感を存分に味わわせていただきました。
※本作は一切のネタバレを知らずに観た方が絶対にいいので、未見の方はご注意ください。
また基本的にはホメているのですが、最終的にはホメていません。。気分を害しそうな方もご注意ください。
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Contents
『閉ざされた森』
監督・出演・製作 基本情報
監督:ジョン・マクティアナン
出演:ジョン・トラボルタ/サミュエル・L・ジャクソン/コニー・ニールセン
製作:2003年/アメリカ
あらすじ
ひとつの謎めいた殺人事件を関係者の様々な視点で再現していく軍事ミステリー。密林で訓練中のレンジャー隊を巻き込む不可解な事件を調べる2人の捜査担当者が、真相を追究していく過程で、矛盾する証言に翻弄され混乱していくさまをトリッキーに描く。監督は「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン。主演はジョン・トラヴォルタ、共演に「グラディエーター」のコニー・ニールセン。
ある夜、パナマの米軍基地から訓練に向かったレンジャー隊7名が、嵐の密林地帯で消息を絶つ。17時間後、3名の生存者が発見されるものの、彼らは味方同士で撃ち合っていた。そして、一人が捜索隊の目の前で殺される。結局、重傷者を含む2名が救助され、いまなお隊長のウエストを含む4名が行方不明のまま。間もなく、ジュリー・オズボーン大尉が調査を開始するが、救助された兵士は彼女の尋問に黙秘を続けた。そこで、オズボーンの上官スタイルズ大佐は、かつてウエストに訓練を受けていた元レンジャー隊員で尋問術に長けた麻薬捜査官トム・ハーディを呼び寄せる。引用:映画 閉ざされた森 – allcinema
感想(ネタバレあり)
素直に騙されるのがいいと思う。
『羅生門』さながらに、食い違った供述が入り乱れ、二転三転するストーリーが見どころ。
同じ事件について語っていても証言者によって語る内容が全く異なり、真実はやぶの中に隠れて簡単には見えてこない。
とある人物の証言が、別の人物の証言によってすぐに覆され、真相に近づいたかと思ったらまた遠のいてしまう。
果たして本当のことを言っているの誰なのか?誰が味方で、誰が敵なのか?観客を幻惑して止まない展開に飽きることなく、最後の最後まで騙され続けた。
本作は騙される快感が存分に味わえる作品です。素直に騙されるのがいいと思います。
が。
騙されておいて文句言うのもなんなのですが、真相が明らかになり、あっと驚いた後にふと冷静になると腑に落ちない部分がたくさんあり。
結局なんだったんだ?
という気持ちにさせられる作品でもありました(≧ヘ≦) ムゥ
尋問のプロ、トム・ハーディが渋すぎる。
舞台はパナマの米軍基地、レンジャーの訓練中に謎めいた事件が発生した。
訓練に出た7人のうち、4人は行方不明。一人は死亡、一人は重傷。
残る一人、決して口を割らない生存者ダンバーの尋問を依頼されたのがジョン・トラボルタ演じるトム・ハーディ。いつものようにかっきり割れたあご(いわゆるけつあご)は健在(*`д´)b OK!
元レンジャーで今は麻薬捜査官、収賄容疑をかけられ謹慎中。パナマ基地のスタイルズ大佐とは旧知の仲であり、その尋問術を買われて難事件解決の協力を要請された。
このハーディが渋いのである。
型にはまらないアウトロー的な雰囲気を漂わせつつ登場したハーディは、尋問担当のオズボーン大尉に対して徹底して黙秘を貫いていたダンバーの口をあっさりと割らせてしまう。
▼「オレも昔はレンジャーだったんだぜ。だからお前の気持ちわかるぜ。」
デスクの上に腰かけ、リラックスした雰囲気を漂わせつつ、自分がレンジャーであることを明かして親近感を感じさせつつ、事件とは無関係な野球の話をして場を和ませつつ…。
空腹でありながら食事さえも拒否するかたくなさを見せていたダンバーにごく自然流れでドーナツを食べさせてしまう。
相手にそうと気づかせずに密かな駆け引きを行い、するりとダンバーとの距離を縮めていく。いつのまにかダンバーはハーディの術中にはまる。
その見事な手腕に、当初は反発していたオズボーン大尉も徐々にハーディを信頼していく。
▽オズボーン大尉。なかなかのやり手。(演じるのはデンマーク映画『ある愛の風景』のヒロインを演じたコニー・ニールセン)
しかし。
ようやく引き出したダンバーの証言と、もう一人の生存者ケンドルの証言は真っ向から対立するものだった。
当初はウエイト軍曹によるパワハラが事件の原因かと思われたが、基地内の麻薬汚染が関係していたことが発覚。
レンジャー隊のメンバーだけではなく、別の人物も事件に関わっており、さらには「セクション8」なる「幽霊」のように実体の見えない謎の組織が絡んでいるらしいこともわかっていくる。
果たして訓練中に何があったのか?
状況がくるくると展開していくので、ついていくので必死です(笑)
脳みそフル回転で頑張りましたよ。
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誰が誰だかわからない。
この映画のお話を難しくしているのは、まず誰が誰だかわからない、というところだと思う(苦笑)
主役クラスの区別はつくものの、脇役の顔の区別はつきづらい。日頃から登場人物の多い映画は、人物を追うのに一生懸命になってしまう私であるが、本作ではその傾向が顕著だった。
本作の事件は「嵐の夜」の起きる。常に画面が暗いし、レンジャーの訓練中の当事者たちは同じような服装をしているので誰が誰だかわからない。
メンバーに女性がいたことも途中で気付いた。声が女みたいだな~と思ったら女だったのだ( ̄◇ ̄;)エッ
それほど登場人物の判別が困難でした。
正直なところ、重要人物のケンドルとダンバーの区別もあまりついてなかったヾ(ーー )ォィ
そんな状況にもかかわらず、誰かが何かを証言するたびに証言に沿って事件当夜の様子が何度も繰り返し描かれるので、ますます混乱が深まります…。
毎度のことながら濃い。
サミュエル・L・ジャクソンが毎度のことながら非常に濃いキャラを演じていて。
レンジャーの訓練教官で隊員たちに「殺してやりたい。」と憎まれるほどにしごきまくる鬼軍曹ウエイト。とくにパイクという隊員に対しては完全にパワハラと言えるしごきを行っていた。
で、始まってすぐに殺されてしまう。(←ちょっと吃驚)
当初はウエイトのパワハラに対する恨みによって起きた殺人事件かと思われたが、どうやらそうでもないらしい。
なぜウエイトは殺されたのか、誰が殺したのか?見えたと思った真相はすぐに遠のいてしまい、ラストにはあっと驚かされる展開が待っている。
大物俳優なのに最初に死んじゃうのか~と驚いたものの、途中で死んでしまう人物を演じることもあるので、まあそういうこともあるか、と思いきや…。
生きてました(ノ゚⊿゚)ノびっくり!!
結論を言ってしまうと、全員がグル。
被害者とされていたウェイトだけじゃなく、ダンバーや行方不明のレンジャーたち。挙句の果てにはトムまでもがグル。
彼らこそが「セクション8」だったのです。死んでなかった、全員生きてた!
実はハーディに尋問を依頼してきたスタイルズ大佐こそが黒幕で、ヤバイ真実を知ってしまったウェイト暗殺計画が進行していため、それを阻止せんと「セクション8」が立ち上がった!というのが真相。
そんな真相を知ってしまったオズボーンもセクション8のメンバーに勧誘され、なんだか和気あいあいととっても楽しそうな雰囲気になってしまった。
▽生きてましたヨ。
私、す~っかり騙されました(〃⌒∇⌒)ゞえへへっ♪
ウェイトほか、死んだと思われていた人物も無事でよかった。さほど陰惨な事件でもなかったんだな~と思ったのも、つかのまでした。
なんかおかしくない?
完全に騙されておいて、文句言うのもあれなのですが…。
なんか、おかしくない( ̄ー ̄?)…..??アレ??
ダンバーとトムがグルなら、最初の取り調べのシーンはやらせってことになる。
あの気安い雰囲気の演出も、ドーナツをむさぼり食べたダンバーもすべて演技。回っている飛行機のプロペラに顔を近づけて脅しつけたのも演技・・・・。
演技だとしたらなぜ?その演技、必要ですか?
しかも迫真の演技…。ロバート・デ・ニーロもびっくりの徹底した役作り…。そこまでする理由ってなんですか?
えーと~…。
☆!☆?☆ (☆_◎) ☆!☆?☆チンプンカンプン
ダンバーがパイクで、パイクがダンバーだった件も、驚かされたけど、そもそもそこを偽る必要性は…ある?
認識票を流用したからって、
見た目が似てるならともかく人種も名前も違ってて誰も気づかない
それが発覚するきっかけが偶然の発言って都合よすぎない??
そもそもセクション8は何をしたかったの?
ただウエイトの暗殺を阻止したかったのなら、そもそも手の込んだ事件をねつ造する必要はなかったのではないか…。
ヽ(~~~ )ノ ハテ?
そう思ったら頭の中が「はてな」でいっぱいになってしまった。
騙してやろうという意図が先にあり、意図に沿ってかなり強引に作られた作品と言えそうですね。
それでも騙されたし、楽しかったからいいかな(^▽^;)
真相を知った当初は快感を覚えるほど「してやられた感」がありました。
真相が発覚した時にすべてのピースがぴたりとハマって1枚の絵が出来上がるのがどんでん返しの傑作で、本作はそこには及ばず、元々あった絵を自分の都合でピースに分けたご都合主義的なものがありますが、まあこれはこれでアリかな。
完全に騙されておいて、あまり文句も言えませんかな。
以上、『閉ざされた森』の感想でした。
おまけの話。
『プレデター』や『ダイ・ハード』を監督したことで知られているマクティアナンですが、2006年に逮捕されてしまったらしく(私立探偵に盗聴を依頼してその取り調べの際にFBIに対して偽証をした、ということらしい。)、本作以降は監督作はないみたい。もしかしたらもう出所しているかな?
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