今日の映画は『ステラ』。とても思い出深い作品で、忘れえぬ1本(*^-^)ニコ
当時、高校生だった私はテレビ放送でこの映画を観て、クライマックスで涙腺崩壊大号泣(Tーヾ)エグエグ…一緒に観ていた父もこっそりと泣いていたんですよね(笑)
10代の頃に観た映画の印象はやはり鮮烈に刻み込まれているようで、その後もちょいちょい見返しては泣いていました。
また観たいな、と思いつつ、ビデオは壊れたし、現在DVDレンタルするのは難しい状況になっているようで借りられず、買うのも中古で3万近い価格になってる…∑( ̄ロ ̄|||)なんと!?
ずっと観られずにいました。
ところが!スカパーが放送してくれたんです!!放送予定のラインナップの中に『ステラ』を見つけた時の私の喜び!!
そんなわけでスカパーの録画を久しぶりに鑑賞しました。この録画、絶対に消さないでおこうと決めましたゾ(*`д´)b OK!
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『ステラ』
基本情報 とあらすじ
監督:ジョン・アーマン
出演:ベット・ミドラー/トリニ・アルバラード/ジョン・グッドマン
製作:1990年/アメリカ
原作はオリーヴ・ビギンズ・プローティの1923年の小説「ステラ・ダラス」で、これが3度目の映画化です。
ヒロイン・ステラは決して上品とは言い難い女性。
酒場でバーテンダーをしていた頃に、医学生と恋におち、娘を授かるものの、恋人とは結婚せずに女手ひとつで娘を育ててゆく。
口も悪い、品もない、学もない、お金もないシングルマザーが、一切の援助は受けずに必死で働いて、娘を育て上げ、そして娘のためを思って身を引き裂かれるような決断をする。
その決断するクライマックスも十分に切ないのですが、さらにその後にガツンと泣きの衝撃がやってきます。予想していなかったラストシーンでステラが見せる表情は、深い深い母の愛に彩られていて、涙が溢れて止まりませんでした。母の愛を描いた名作です。
ステラを演じるのはベット・ミドラー。
グラミー賞を受賞したこともある歌手でもあります。私は「ローズ」という曲が大好きで、CD持っています。この映画でも主題歌を歌うのはベット・ミドラーです。
その娘を演じるのはトリニ・アルバラード。
ちょっと古い作品ですが『若草物語』で長女メグを演じてた女優さん。
『若草物語』はその他の姉妹を演じるのがウィノナ・ライダー、クレア・デーンズ、キルステン・ダンスト、サマンサ・マシスとなかなか豪華。母親役はスーザン・サランドン。
それにまだブレイク前のクリスチャン・ベールが出演しています。今ではクセの強い難役を演じることが多いけど、この時は素直でまっすぐな好青年を演じています。ある意味貴重かも(゚ー゚)(。_。)ウンウン
▼『若草物語』
若草物語 コレクターズ・エディション [ ウィノナ・ライダー ]
久しぶりに観返すと、ちょっと発見もあり、有意義な鑑賞となりました。
以下はネタバレをしてます。
<スポンサーリンク>感想(ネタバレあり)
個性的で型破りで豪快なステラ
バーテンダーとしてバーで働くステラが踊る姿を見て、医学生のスティーブンは一目ぼれ。ステラは派手なメイクと個性的な服で、豪快に笑う明るい女性だ。両親ともにハーバード卒の医者というスティーブンとは育った環境がまるで違うが、二人は束の間の幸せな時間を過ごす。
スティーブンがニューヨークに戻る日が近づいていたころ、ステラは妊娠し、スティーブンは戸惑いながらも「それが正しいこと」だからと、ステラにプロポーズをするがステラはこれを受けない。
「水と油は混ざることはない。」
一緒にいて今は楽しいけれども、長くは続かない。それがステラにはわかっていたのだろう。プロポーズされた瞬間には嬉しそうな表情も見せるのだけど、頑なに拒否をする。
子供ができたと告げた時の、スティーブンの反応もぱっとしないのだ…。
「どうする?」
「他人事みたいに言うのね。」
「どうしたい?君の決めたとおりにする。」
あー、それ、言っちゃダメ…。と思いました…。真面目なんだよね、だから責任を取ろうとしてるんだよね。結婚したいって言えば結婚してくれるんだよね。産まないと言えばそれも受け入れるんだよね。でも「あなたはどうしたいの?」って思っちゃう。
そう、彼にとってステラはインターンをしている間だけの恋人。街を去れば終わる関係。遊び、とまでは言わないけれど、スティーブン自身もステラとの結婚は考えていなかったに違いない。子供ができたから、と責任感でプロポーズされても、誇り高いステラはそれには応じなかった。
母になり、母として生きる。
「子供を産むのはいいけど、私はどうなるの?私の人生はどうなるの?」
頼れる家族もなく、中卒で手に職もない女性が一人で子供を産んで育てていくのは並大抵のことじゃない。だからステラは悩む。悩みに悩んで産むことを決意するが妊娠中のステラは不安と悩みが色濃く顔に現れていて、幸せそうな妊婦には見えなかった。
しかし、わが子をこの手に抱いた時に、一瞬で母親の顔に変わる。湧き上がってきた愛おしさ。小さい小さい娘ジェニーを抱いて泣きそうな笑顔を見せるステラ。
そこには何があってもこの子を幸せにしようという強い強い決意がありました。
お母さんってすごいなぁって、つくづく思う。このシーンでまずじぃんと来る。
父親としてスティーブンとジェニーはつながりを持ちながら、それでも断固として援助は拒否し、ステラは決して裕福ではないけれど、愛情いっぱいにジェニーを育ててゆく。
ジェニーはステラの愛をいっぱいに受けながら、素直ないい子に育ち、二人はとても仲がいい親子だった。
しかし、ジェニーが思春期に入ったころから二人はすれ違い始める。
シングルマザー&かなり個性的なので、保守的な人からは冷たい目で見られることもあるステラですが、決して負けないのね。自分を曲げないし、誰にでもはっきりモノを言う。
それはステラの長所ではあるけれども、時にはトラブルを引き起こす元になる。
ステラが引き起こしたトラブルは、思いもかけない形でジェニーに跳ね返ってくることになる。
バーで乱闘騒ぎに巻き込まれ、警察に連行される姿を日頃からステラを目の敵にするPTA会長に目撃され、それを広められてしまう。
その結果、楽しみにしていた誕生パーティーを友人全員にドタキャンされたジェニーは、それ以後、チンピラみたいな男と付き合い始め、服装も髪形もやさぐれてゆく。(やさぐれかた、わかりやすいっ!!)
自分のようになってほしくない。
娘には幸せになってほしいと強く願うステラは、ジェニーに小言ばかり言うようになり、ジェニーはますます反発してゆく。
映画を観ている側はステラの裏表のない率直さや、豪快で底抜けに明るい性格、そして何より深くジェニーを愛していることがわかる。決していい加減な人間ではない。
でもステラのような女性を好ましくないと考える人は多いんだろうなぁというのはわかります。今よりもシングルマザーに対する目も厳しかったことでしょうし。
「水の中で溺れているみたい。強い支えが欲しいわ。」
日頃は突っ張っていても、長年の友人エドにそう不安を漏らすことも。
エドはステラのことが好きで、ずっと支えてくれてたのですが、色々不運続きでちょっと荒れちゃってる。いつも酔っぱらっていて下品なエドをジェニーは嫌っている。
このエドもまた、親子の喧嘩の原因になったりする…。
ステラとジェニーは何度も激しく衝突を繰り返しながらも、やはり互いを思いやっている二人は仲直りも繰り返す。
娘を愛するがゆえの悲しい決断。
子供から大人の女性に変わってゆく。そんな難しい年頃に入ってきたジェニーに転機となる出会いが訪れる。
スティーブンの恋人、ジャニスに出会う。
有能な編集者であり、知的でセンスのいい都会的なジャニスにジェニーは憧れを抱くようになり、そして名門ブラウン大に通う男性パットと出会い、恋に落ちる。
ステラの寝室にやってきては何度もパットの話をするジェニーの様子から、親子の仲の良さが伝わってきて微笑ましいほどなのだけど、ジェニーはジェニーであまりにパットとの環境が違いすぎることで悩みを抱えている様子。
「パットは金持ち娘と出会って結婚するわ。」
そう言って寂しそうな表情を見せる。
ステラはそんなジェニーを喜ばせたかった。
ジェニーのために奮発してパットのいるフロリダに二人で出かけて行って、「事件」が起きる。
ステラはキョーレツなドレスとメイクに身を包んで、ノリノリでバーのボーイと踊りまくって周囲の注目と失笑を浴びてしまうことになる。その現場を目撃したジョニーはショックを受けてその場から逃げ出してしまった。
そしてステラも「ジェニーも気の毒ね。あれがママなら、私なら自殺するわ。パットも逃げ出すわ。」と噂されているのを聞いてしまう。
フロリダから戻ったジェニーはまた荒れてしまい、チンピラ男と付き合い始め、警察沙汰まで…。
このままではいけない。
そう思ったステラが向かった先は、ジャニスのところでした。
ジャニスにジェニーを引き取ってほしいと頼むのです。
「この先正しく導いてやれる自信がないの。あの子にチャンスを与えたい。とてもいい子なのよ。」
もうこのあたりから、じんわりと涙が浮かび始めます。
裕福な家庭、良識のある両親、知的好奇心を満足させてやれる環境。
ジェニーが今必要としているものをスティーブンとジャニスなら与えることができる。
自分にはそれらを与えることはできない。
むしろ、ジェニーの幸せの邪魔になってしまう。
最初は反対をしたジャニスだが、ステラの想いを受け止める。この女性もまた、とても魅力的でね。どうやら貧しい家庭で育ち、努力して抜け出してきた人らしいの。だからステラのことも理解してくれる。
しかし、ジェニーはスティーブンとジャニスからの一緒に暮らそうとの申し出を断り、ステラの元に戻ってゆく。
「ママのいるところが私のうちよ!」
ステラはそんなジェニーにわざと冷たい態度を取る。酔っぱらいのエドと結婚するなんて嘘までついて。
本当は離れたくない。
ずっと一緒にいたい。
愛しているから。
自分の人生のすべてだから。
そんな思いを必死の思いで抑え込んで、ステラはジェニーにひどい言葉を浴びせる。
そうして、無理やりに家を追い出すのだ。
もう、最愛の娘とは二度と会うことはない。この手で触れることもない。
ジェニーが去った後、その場でステラは泣き崩れる。
時は流れ、ジェニーとパットの結婚式。
手を尽くして探してもステラの行方の知れないままだった。
人生最高の日であるにも関わらずステラの不在にジェニーは寂しそうな表情を見せる。そんなジェニーをスティーブンは慰める。
しかし、窓の外からそっと結婚式の様子を眺めるステラの姿がありました。
警備員にとがめられても、「ベールをあげてキスする顔を見たいの。」と。
ずぶ濡れの雨のなか、ジェニーの幸せそうな顔を見ると、ステラは笑顔を浮かべながら去ってゆく。
もう二度と会えなくても、ジェニーが幸せならそれでいい。
一切の見返りを求めない、無償の愛に満ちた母の姿がありました。
<スポンサーリンク>まとめ
ラストシーンで傘もささずに、窓の外からそっと娘の花嫁姿を見るステラの身なりからは、その生活は決して楽なものではないのだろうと想像がつく。
バーテンダー、材木工場、化粧品のセールスと、娘と二人で生きるために必死で働いてきて、最後は娘の幸せのために娘を手放す。
結婚しようっていうのだから、結婚しちゃえばよかったのに。
援助するっていうのだから、援助してもらえばよかったのに。
そうしたら、もっと楽に生きられたのに…。
けれどもそれができないのがステラ。
誇り高くて、不器用で。自分が損する生き方ばっかりしてる。
ステラが本当にすごいなって思うのは、最後まで一切の見返りを求めてないこと。
自分が悪者になって、娘の人生から消えて、二度と彼女の前に現れないこと。誰にも気づかれずにそっと幸せを見届けて、誰にも何も言わない。
自分が雨に濡れることなど気にもせず、笑顔さえ浮かべて去ってゆく。
つい一言、存在をアピールしたくなりそうですけれど、それをしないんだなぁ…。
ラストシーンのステラの笑顔は、最初に観た時からずっと心に焼き付いて離れません。
▼DVD見つけた!と思ったら海外版でした…。
英語が堪能な方、自宅で再生可能な機器をお持ちの方なら大丈夫かな。
▼CSやBSでは放送されていることもあります。 DVD化されてない作品を観たい場合には助かってます。
その他、気になったことなど。
ジェニーのチンピラの彼氏ジム。
なんか見たことある気がして、調べてみたら、なんとベン・スティラー!
わ、若い!そして意外なほどイケメンだ。コメディーのイメージが強いですが、『リアリティ・バイツ』の監督はスティラーなのね。知らなかった…。
酔っぱらいのエド。
こちらも見たことあるなぁって思って、顔をよく見るとジョン・グッドマン!
若い!けど体型はこの頃から立派なもん。エドは酔っぱらいで下品で粗暴で、ロクデナシと言えばロクデナシなんだけど。
ステラをずっと想っていて、豪快に笑って、ずっとそばにいてくれた根はいいヤツ。
古い映画を見ると、当時は気づかなかった役者さんが出てることがあるので、見つけると嬉しいです。
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