2018本日の映画は『私の中のあなた』です。
天才子役として人気を集めたアビゲイル・ブレスリン主演の感動ドラマです。
<スポンサーリンク>『私の中のあなた』
基本情報
監督:ニック・カサヴェテス
出演:アビゲイル・ブレスリン/キャメロン・ディアス/ソフィア・ヴァジリーヴァ
製作:2009年/アメリカ
フィクションですが、白血病のドナーにするために子どもを作った家族の話は実際に聞いたことがあります。ニュースでも取り上げられましたので、そこからヒントを得たのかも。
▼監督は『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス。
ケイトとアナの姉妹は当初はダコタ・ファニングとエル・ファニング姉妹が配役されていました。ダコタが髪を剃ることに抵抗があったため、二人は降板となったそうです。
エル・ファニングはかつては「ダコタの妹」というポジションでしたが、今はそこから離れ、『20センチュリーウーマン』『ネオン・デーモン』など出演作が目白押しの人気女優となっています。
ファニング姉妹の姉妹共演も観たかった気もしますが、『リトル・ミス・サンシャイン』が大好きなのでアビゲイル・ブレスリンのアナがやっぱりお気に入りかな。姉妹の母親サラを演じたのがキャメロン・ディアス。
▼原作があります。
原作と映画は結末が大きく異なります。どちらが好みかは別れそう…。
『私の中のあなた』のあらすじ
出典:http://eiga.com/movie/54166/gallery/2/
白血病の姉を救うドナーとして、人工授精で生まれてきたアナ。
「もう姉のために体を傷つけられるのはイヤだ」
アナはある日、姉のために片方の腎臓提供を強いる両親を相手に訴訟を起こす。自分が臓器提供を拒めば、姉は死んでしまう…。それでも「拒否」する道を選んだアナの行動に秘められた思いとは?
<スポンサーリンク>感想(ネタバレあり)
いったいどうすることが正しいのか…。
簡単には答えが出せそうにない問題です。
母として、白血病の娘を何としてでも救いたい。そのサラの想いは、母として当たり前の感情なのだろう。
出典:http://eiga.com/movie/54166/gallery/4/
でも。
だからと言って、もう一人の娘の体を傷つけることは正しいのだろうか?
アナの体を傷つけることを止めれば、姉のケイトは死んでしまう。アナの体は傷つくけれども死ぬわけではない。一方のケイトは死の淵にいるから、ケイトが優先されるのは当然なのだろうか?
たった11歳の少女の腎臓を片方を取りだして、姉に移植しようとする。少女の意志を確認することなく、当たり前のように。これは正しいのことなのだろうか?
このシーンは観ていて本当に辛くなりました。
大人ならば、わかります。もしも私だったら、家族が病気で移植が必要になれば、片方の腎臓を提供するでしょう。私は大人だから、自分の意志でそうします。
しかし、親だからといって子供の腎臓を勝手にもう一人の子どもにあげようとするのは、いくらなんでも…と思ってしまった。せめてアナの意向を聞いてあげるべきではないか?(それでも移植して当然、というプレシャーがきつすぎて、アナが自分の意思で決断できるかどうかは難しいところだけれど…。)
▽病と闘い続ける姉ケイト
出典:http://eiga.com/movie/54166/gallery/10/
アナに対する仕打ちを観ているとサラは酷い母親のように映ってしまうのですが、それも娘を深く愛しているからゆえ、なんだよなぁ。それが本当に切なかった。
現実世界でも病気や障害などで手厚い世話が必要な子どもがいる場合、健常児のきょうだいは親に甘えることができず、傷付き、苦しむことが多いと聞いたことがあります。
親が子を愛してないわけじゃないですが、どうしても病気の子優先になり、求めても得られない、求めることができる状況でもない。辛いのは病気の子の方だ、と言われてしまえば何も言い返せない…。その状況は辛いなぁ…。
アナは、ケイトが病気にならなければ、生まれてこなかったかもしれない子どもですし、物心つく前から姉を救うために痛い想いをたくさんさせられてきて、その挙句、当たり前のように臓器を提供しろと言われたら、自分の存在価値を見失ってしまいそうです。
一方で、親の立場になれば、どんな治療をしても子に生きていてほしい、と願う気持ちはわかる。しかし、その一方で妹を傷つけて生きることに苦しむケイトの気持ちには全く思いが及んでいないようで、それもまた辛い…。
世間では「泣ける映画」として紹介されることの多い作品ですが、私はそんなに泣かなかったのですよ。ところどころ、胸が熱くなるシーンがあったけれども。どっちかというと辛くなった。
アナがなぜ訴訟を起こしたのか?
終盤でその秘められた想いと姉妹の絆が明らかになります。アナの行動には一筋縄ではいかない思いが秘められている。
▼ケイトとアナ、互いを思いやる仲のいい姉妹なんです。
出典:http://eiga.com/movie/54166/gallery/3/
「生きる」って何だろう?
「愛する」って何だろう?
答えは人の数だけあり、何が正しいかなんて決められない。
サラの愛も、アナの愛も、ケイトの愛も。
形は違えど、どれも尊い思いであることに変わりはないんだと思いました。
(でもやっぱり辛い。)
以上、『私の中のあなた』の感想でした。
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